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芳根京子が考える、エイジレスな生き方

 “もし若い体のまま永遠に生きられたら?” アンチエイジングの究極、ストップエイジングが実現した世界を描く映画『Arc アーク』(公開中)で、若さを保ったまま永遠に生きる女性、リナを演じた芳根京子。今回は、ひとりの女性の17歳から100歳以上を生き抜くという、キャリア史上最難関の役どころに挑戦した。老いや死生観について深く考えさせられる本作を通し、何を考えたのか?年齢を重ねることや生きることについて、今の思いを聞いた。

 

 “年齢を重ねることを楽しみたい”芳根京子が考える、エイジレスな生き方

 

 

 

―リナは30歳で不老化処置を受け、外見が若いまま内面だけ歳をとっていくという難しい役ですが、どう表現しようと演じましたか?

「現場に入る前は、17歳や30歳はイメージできても、それ以上の年齢になると本当に想像がつかなくて。事前に考えるのが難しかったので石川監督とも相談し、現場の中で役を作っていきました。普通は高齢の役って、声や姿勢など老化現象による変化で表現する部分が大きいと思うのですが、その“老化”を抜いたときに何が残るのか。おばあちゃんを見て研究するというのも違うなと。

監督からのお話ですごく納得したのが『年齢が上がっていくということは、きっと人生におけるだいたいのことは経験できているから、最短距離で物事を進められると思う』とおっしゃっていたことで 、なるほどなと。『やってみないとわからないこと』がどんどんなくなっていくと思うので、それをどこかで表現できるように意識していました」

 

―本作を通して、死生観について改めて考えさせられたことはありましたか?

「普段生活していて『自分、生きてる!』と思うことってあまりないですよね。“死”についても深く意識したことはなかったのですが、それを鮮明に感じるようになりました。今までは、生と死は一直線上の対局にあるものだと思っていたけれど、そうじゃなくて。本作のタイトルのように弧(アーク)を描いていて、隣同士にあるんだなって。そう思ったら、年齢を止めたいとはまったく思わなくなりました。それは“死”に向かっていることのように見えるけれど、その隣には“生きる”ことがあるので、“死”は怖いけど身構えるものでもないのかなと思うし、人生を精いっぱい生きることの素晴らしさを改めて感じました」

 

―もし不老化処置が可能になったら、芳根さんは受けたいと思いますか?

「難しいのですが、今は思わないです。これから年齢を重ねていくことがすごく楽しみだし、30代、40代になった自分を見てみたいので。きっと、その年齢にならないとできないことやわからないことって、いっぱいあると思うんですよね。もしかしたら10年後は『24歳で止めておけばよかった!』って思うかもしれないですけど(笑)」

 

―現在の世界では「不老不死」は実現していません。限りある人生で後悔しないために心がけていることはありますか?

「その瞬間を全力で楽しむ!ということを常に考えています。やっぱり生きていれば大変なこともあるけど、山場を乗り越えた日は『アイス買って帰ろうかな』みたいな、小さな幸せを見つけるようにしています。コロナ禍になり、些細な幸せをすごく大きく感じる ようになったんですよね。人と直接会えるってすごくありがたいな、とか。そういう小さな幸せを探すのが上手な人になりたいです」

 

 

芳根京子

イヤリング ¥7,000、パールリング(左⼿⼈さし指) ¥35,000、ダイヤモンドリング(左⼿中指) ¥60,000〈すべてSeaaa/シアー 〉

 

 

7月5日発売『GLITTER』2021年Vol.1では、さらに、憧れの女性像などに迫ったインタビューを掲載中! 誌面でしか見れない表情も見逃さないで。

 

■info

舞台はそう遠くない未来。放浪生活を送るリナ(芳根京子)は、19歳で師となるエマ(寺島しのぶ)と出会う。10年後、エマの弟・天音(岡田将生)が「不老不死」の研究を完成させ、リナはその施術を受けて30歳の体のまま永遠の命を生きていくことになるが……。

Arc アーク』公開中 ワーナー・ブラザース映画配給

 ©2021映画『Arc』製作委員会

 

 

芳根京子(よしね きょうこ)

/2013年のドラマ『ラスト♡シンデレラ』でデビュー。15年のドラマ『表参道高校合唱部!』で初主演、16年のNHK 連続テレビ小説『べっぴんさん』で主演を務める。近年の主な映画出演作に『累ーかさねー』(18)、『散り椿』(18)、『ファーストラヴ』(21)など。

 

Photos Masashi Kuroha / Styling Ami Michihata / Hair&Make-up KOTOMI HARADA /  Edit&Words Sonoko Sugihara

 

 

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