生理中にセックスはOK? 妊娠のリスクや危険性を医師が解説
生理中にセックスはしてもいい? 生理中のセックスなら妊娠しない? 生理中は性欲がアップする? そんな「生理とセックス」にまつわる都市伝説について、産婦人科医の髙橋怜奈先生が解説。生理中のセックスにまつわる「ウソ・ホント」や、リスクと危険性についても詳しく紹介。
【目次】
生理中にセックスはしてもいい?
ズバリ、しても大丈夫。ただし、お腹が痛かったり体調が悪かったりする場合は無理は禁物。また経血の量が多い日は避けた方がベター。「生理中だから絶対にセックスしてはいけないということはありません。ただ、生理中は肌が敏感になったり、子宮口が開いていてバイ菌が入りやすかったりします。体調と相談し、バイ菌の侵入を防ぐためにもコンドームをつけましょう」
「生理中にセックスしたら妊娠しない」のウソ・ホント
生理中のセックスは妊娠しないという噂を聞いたことがあるけれど、それって本当? 答えはNO。確かに妊娠する確率は低いけれど、稀に妊娠に至るケースもアリ。ここでは妊娠につながる2つのケースについて解説。
(1)不正出血を生理と勘違いしている
「出血しているから生理=安全日」だと思い込んでセックスをしたら、実は生理ではなく不正出血だったというケース。排卵の時期に出血することも少なくないため注意が必要。本当の生理かどうかは、基礎体温をつけたり病院で超音波検査を受けたりしないとわからないので安易な自己判断は避けて。
「患者さんのなかでも『今月2回生理がありました』と受診される方は少なくありません。しかし、月に2回以上の生理が起きることは基本的にはなく、どちらかは不正出血である場合がほとんどです」
(2)寿命が長い精子だった
通常、女性の体内での精子の寿命は約3日と言われる。しかし稀に長生きする精子だった場合、排卵日まで生きて妊娠に至ることも。生理周期が安定していない人の場合、生理から排卵までの期間が短いケースもアリ。
「生理中のセックスは、理論上は妊娠の可能性が低い時期ではありますが0%ではありません。望まない妊娠を避けるためには必ず避妊を心がけましょう」
生理中にセックスするリスクと危険性は?
生理中のセックスにはどんなリスクや危険性がある? ここでは3つのリスクを解説。
リスク1. 妊娠する可能性
前述のとおり、生理中のセックスで妊娠する可能性も。妊娠を望まない場合は必ず避妊を心がけて。
リスク2. 感染症にかかる可能性が高くなる
生理中の体はデリケートなこともあり、性器が傷ついて感染症を引き起こす可能性がある。性感染症のほか、HIV、梅毒、B型肝炎など血液を介した感染症にかかるリスクも高まる。
リスク3. 子宮内膜症になるリスクがアップ
一説では、子宮内膜症になるリスクも上がると言われている。
「生理中は子宮に溜まった経血が膣に出ていきますが、どんな女性でも子宮に溜まった経血が逆流してお腹にも出ています。これを逆流血と言い、その量や回数が増えることで子宮内膜症のリスクが高くなるとも言われる現象です。生理中のセックスによって逆流血が増える可能性があります」
生理中にセックスしたくなる理由
「医学的には女性ホルモンが最も分泌されるときに性欲が高まるので、理論上は排卵日が最も性欲が高まる時期とされています。生理中は女性ホルモンが減る時期なので、生理中に性欲が高まるかどうかは個人差と言えそうです。
生理中に性欲が高まる場合、理由としては生理中だからセックスができないと思うと余計にしたくなるという精神面の影響が考えられるかもしれません」
生理中のセルフプレジャーはOK?
「生理中のセルフプレジャーは、しても問題ないと思います。ただし、膣内に挿入するものや激しくピストンするものなどは子宮内での逆流血を引き起こす可能性があるので、控えた方がベター。また、生理中に限ったことではないですが、必ず清潔な状態でおこなうことを心がけましょう」
Word&Edit GLITTER編集部