このたびエスパス ルイ・ヴィトン大阪では、2024年3月27日(水)から2024年9月22日(日)まで、イギリス人アーティストのアイザック・ジュリアンによる個展「Ten Thousand Waves」を開催する。

Isaac Julien, Green Screen Goddess (Ten Thousand Waves) (2010) (c)Isaac Julien. Courtesy the artist and Victoria Miro

フォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そしてそれらのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関。公益を担うフォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持ってもらうことを目指している。

今回個展が開かれるアイザック・ジュリアンは、ビデオを社会活動の表現手段として用いるイギリス人映像作家たちによるムーブメントを牽引する1人。

Isaac Julien, Mazu, Turning (Ten Thousand Waves) (2010) (c) Isaac Julien. Courtesy the artist and Victoria Miro

中華圏の主要な芸術家たちとのコラボレーションを通じて制作された《Ten Thousand Waves》(2010年)は、中国文化へのオマージュとして、役者、場所、時代の混じり合うポリフォニーを立ち上げる、巨大なビデオインスタレーションだ。このプロジェクトは、2004年にイギリス北部で違法就労の中国人労働者23人が潮流に巻き込まれ命を落としたモーカム湾の遭難事故に端を発して制作された。

書道、映画、そしてさまざまな神話が交差する地点で強制的な移動と移民の問題に向き合う本傑作は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションより、「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として、日本で初公開される。

Isaac Julien Portrait 2017. Photography by Thierry Bal

アイザック・ジュリアン
西インド諸島のセントルシア島からイギリスに移住した両親のもと、1960年にロンドンで生まれた。1984年にセント・マーチンズ美術学校を卒業し、美術・映像の学士号を取得。ロンドンと米国カリフォルニア州サンタクルーズの間を行き来しながら活動している。