記事検索

【GLITTER WELLNESS PEOPLE】VOL.5 CHICOさん「自分にとって腑に落ちているかどうか。本質的なウェルネスライフは、そこから始まる」

仕事も趣味も楽しみ、輝く人たちのウェルネスライフを紹介する本連載。

今回登場していただくのは、ホリスティックなアプローチで、女性たちの心と身体をケアするビューティブランド「SHIGETA PARIS」を主宰するCHICOさん

今でこそ自然療法の大切さを謳う人も増えてきましたが、CHICOさんはまさにそのパイオニア的な存在。フランスのパリや南仏でホリスティックについて学び、2006年に「SHIGETA」を立ち上げ、ホリスティックやウェルビーイングについて発信し続けています。

そんなCHICOさんは、現在はどんなウェルネスライフを送っているのでしょうか。

 

PROFILE CHICO SHIGETA

SHIGETA PARIS主宰、ホリスティックビューティーコンサルタント。
美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスおよび日本にてビューティーメソッドを探求。その経験と実績をもとにバイタリティー・コーチング®を考案。現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。オーガニックのすばらしさやホリスティックなライフスタイルがもたらす心と健康への近道を紹介するウェブマガジン「Spring Step(スプリングステップ)」 の編集長も務める。

@chicoshigeta

 

タイ・ホアヒンで大自然とともに暮らすオーガニックライフ

「SHIGETA PARIS」の主宰者として第一線で働く一方で、現在4歳の双子の娘さんを持つ母でもあるCHICOさん。18年間住んでいたフランスを離れ、3年前からタイのホアヒンに移住。なぜその地に移住を決めたのだろうか。

「移住に踏み切ったのは、娘たちが産まれたことがきっかけです。仕事も面白いからなるべくセーブをしたくないし、育児もエンジョイしたい。それでいて自分のウェルネスもKEEPしたい。その3つすべてを叶えたいと思った時、パリで実現するのは私には難しいと感じたのです。夫と話し合い、自然が豊かな場所で病院や学校などの環境も整っていて、さらに日本との行き来もしやすい場所として最良だと感じた地が、ホアヒンだったんです。ホアヒンは乾季の時期は涼しく、タイの中でも過ごしやすいので、タイ王室の避暑地としても知られている場所で、治安もいいため住みやすいんです」

CHICOさんの自宅は山や植物など大自然に囲まれている。そこには都会にあるノイズはまったくない。庭には生命力が溢れるハーブやフルーツが育ち、スーパーマーケットに行けばオーガニックなプロダクトが並ぶ。それだけでも健康的な暮らしができそうだが、何より変わったのは“睡眠”だという。

「家のまわりには自然しかないので、夜になると周囲は真っ暗。昔から良質な睡眠を保つ大切さを感じていました。実際に眠りが浅いと翌日の仕事のパフォーマンスも落ちてしまうんです。つまり、私にとって『良い眠り=生産性』でもあると言えます。だから高価なマットレスを買ったりオイルマッサージをしたり、あらゆることを試していました。いかに良い眠りをするかということにエネルギーを注いできたのですが、移住したらそこを頑張らなくても本当によく眠れるようになったのです(笑)。

PCや携帯などのデジタルもそうですが、感覚機能を使ってキャッチするものってすべて情報だと思うんですよね。信号ひとつとってもインフォメーションです。だから都会に住んでいるということは、ただ暮らしているだけでも情報過多になりがちです。自然に囲まれて暮らしているとそういったノイズとも言えるような余計な情報がないのです。それだけで心身はゆるみますし、肩の力が抜ける。子どもたちも外で遊ぶのが楽しいのでテレビを見る暇もないですし、そもそもテレビの存在を忘れてしまうみたいです。裸足でいつも駆け回っています」

さらに親子で今ハマっているのが、乗馬。CHICOさんにとって体、そして精神のトレーニングにもなっているという。

「乗馬は心も体も馬にゆだねて、体全体の力をゆるめることが大切。私はこの仕事をしていて常に“ゆるめる”ことを心がけてきたのですが、それでも先生に1分毎くらいに『はい、肩と腕の力を抜いて!』と言われています(笑)。それだけ体に力んでいるんだろうなぁ、と思って。馬はぐいっと力を入れて引っ張る必要はなくて、力を脱いた状態でとても繊細な動きでこちらの意向を伝えます。馬との関わり方はすごく自分の学びになります。そしてやはり、自分にとって“ゆるめる”ということは永遠のテーマだな、と思いました。それに比べて子どもたちは上達が速いです。いかに普段から力を抜いて過ごせているかがよくわかりますね」

 

CHICO’S WELLNESS ROUTINE 

CHICOさんのウェルネス習慣

自然に囲まれたシンプルな暮らしを満喫しながら、仕事も子育ても両立しているCHICOさんの、ウェルネスな習慣とは?

起床後の一時間は、自分のための時間に充てる

「朝は6時に起きて、子どもが起きてくる7時くらいまでの間は自分のための時間として過ごしています。呼吸をしながら瞑想したり、コーヒーを作ってテラスでゆっくりしたり、新しい製品のことを空想したり。何をするかはその日の気分によって決めますが、朝の心が静かな時間だからこそできること、価値があると思うことをやるようにしています。1日がスタートすると、子育てや仕事であっという間にバタバタしてしまうので、この一時間がとても貴重です」

 

眠る前の5分はお腹をオイルマッサージ

「子どもの学校や習い事の送り迎えや食事の準備などをしていると、どうしても仕事が途切れてしまいます。日本とフランスとやりとりしているので時差もありますし、子どもを寝かしつけたあと、23時くらいまでPC作業をすることもあります。ですから、眠る前の切り替えのセレモニーとしておなかをオイルマッサージしています。『SHIGETAPARIS』のボディー・マインド・スピリットとベーシックボディーオイルを使って、呼吸をしながらやさしくなでるようにマッサージ。マッサージをする時は手やおなかの皮膚の感触、皮膚の向こう側の内臓をイメージしたり、マインドフルに行います。5分間やるだけでも心身が休まり、そのままスーッと眠りに落ちていきます。

その人の環境や体質、またその時の状況によっても、眠りの質は変わってくると思うので、CBDを使ってみたり、ハーブティーを飲んだり、自分なりの良眠ができる方法を探ってみるといいと思います。都会に住んでいるというだけで無意識に体に力が入りがちです。また特に女性は責任感が強い人が多いと思うのですが、『〜ねばならない』という思いが、その分体をこわばらせてしまいます。だからこそ自分をゆるませる方法を知っておくことは大切だと思います」

 

週に1〜2回はピラティスと筋トレ

「私たちの体は体幹が支えています。年齢と重ねるとともに、体幹がないと、疲労を感じやすくなりますね。特に子育ては、パワーが必要なので、筋肉がないとすごく大変です。今は先生に自宅へ来てもらってトレーニングをしています。良いダンスの先生に巡り会えたら、ダンスも始めたいなと思っています」

 

BE CONSCIOUS OF WELLNESS THINGS 

今気になっているウェルネステーマ

「『マインドヘルス』です。今は日本でもマインドヘルスについて語られるようになりましたが、まだまだ日陰な存在と感じることもあります。フランスに住んでいた時、自分一人では解決できない、心の不協和音を感じたら、サイコアナリスト(精神分析医)のところへ行っていました。日本だとそういうところに行くだけで『この人病気? 大丈夫?』と思われることがまだあると聞きます。そもそも思考が健康であるということはとても大切で、毎日のちょっとした「心の傷」みたいなものが積み重なっていくと、大きなストレスや歪みとなり、体の不調にもつながります。プロのカウンセラーにサポートしてもらうことで、普段は気づかない自分の感情や思考に気づいたり、気持ちの整理ができるようになります。何に対して感情的になっているのか、実は何を問題だと感じているのがわかるようになり、自然と感情との向き合い方がわかってきます。

そういったカウンセリングを受けなくても、もやもやしたりスッキリしないと感じたら自分と対話してみたり、感情のままに紙に書き、それを後から読み返して俯瞰することで、自分の感情に気づくこともあります。これはトレーニングでもあるので、ちょっとでもモヤっとしたら自分の思考と向き合うことを習慣づけるといいと思います」

 

MESSAGE FOR GLITTER’S READER

GLITTER読者へのメッセージ

「私がウェルネスなライフスタイルを送る上で一番大切にしているのは、『自分が腑に落ちるているかどうか』です。いくらまわりが『良い』と言っていたとしても、自分にとって心地よくなければ意味がないと思っています。時に社会的な固定観念によって判断してしまうこともあると思います。例えば、周囲の目がかなり厳しい『子育て』ですが、シッターさんに子どもを預けて自分をリカバリーさせ、充実度を満たすことをすることに罪悪感を感じる人も少なくないと思います。

人の目を気にするなと言っても、気になってしまうかもしれませんが、本来は、『こうするべき』という、他人の常識をベースに行動するのではなく、私は本当にどうしたいのか。大切なのは自分が喜びや心地よさに満たされているかどうか。それが何かもわからないくらい忙しい毎日に疲弊しているならば、少しの時間でも呼吸法や瞑想を行ってみたり、走ったり、歩いたり、自分にフィットする方法でメディテイティブ(瞑想的な)状態に自分を持っていけるようなアクティビティーを見つけると良いと思います。

そしてもう一つ、『自分自身を信頼すること』ですね。直感って天から降ってくるものではなくて、実はすべて自分の内側から湧き出てきているものなのです。風水の先生が教えてくれたのですが、私たちが『あ、これ良いな!』と何かを選択する時、たった0.2秒で自分がこれまで経験した全ての情報のアーカイブにフィルターにかけてから選択しているそうです。だからこそ、そのひらめきが大切なのです。レストランで『これ食べたい!』と思うことだってひらめき。

私たちは毎日、何かしらの選択をしています。その選択一つひとつ、まず最初に自分に問いかけて直感に従ってみてください。昨年から新しい時代にパラダイムシフトしているといろんなところで言われていますが、目に見えないものへの価値が見直されています。物質的なものではなく、まずは自分の心地いいものは何なのか。改めて考えてみるといいかもしれないですね」

 

Editor’s Note

by Sonomi Takeo

何かを諦めたり妥協するのではなく、「こうありたい」というライフスタイルに沿った生き方を選択したCHICOさん。

「健やかで幸せになりたい」と思っているのは他でもない「私」。

まわりはどうであれ、まず「私」がどうしたいかどうか。すべてのウェルネスは、それを知ることから始まるのかもしれません。

 

Photos CHICO

Edit Sonomi Takeo

 

 

Share
GLITTER | グリッターな人生を!(スタイルマガジン『グリッター』) > LOVE&SEX > WELLNESS > 【GLITTER WELLNESS PEOPLE】VOL.5 CHICOさん「自分にとって腑に落ちているかどうか。本質的なウェルネスライフは、そこから始まる」

What's New 一覧

LATEST ISSUE

GLITTER 2023 SUMMER issue

エイジレス・ジェンダーレス・ボーダレスをコンセプトにライフスタイルマガジンとして新装刊。「グリッターな人生を!」目指し、人生を輝かせるためのモノコトヒトをクローズアップするメディアです。