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川村壱馬interview 映画『貞子DX』が解く現代。そして、人間の裏表について思うこと

1998年の公開以降、今もなお世界中の人々に恐怖と戦慄を与え続けている映画『リング』シリーズ。その最新作『貞子DX』に、THE RAMPAGE川村壱馬が出演する。本作で彼が演じている前田王司は、見ると24時間以内で死に至るという呪いを解明すべく奔走する“自称・占い師”。「自分と共通しているポイントが見つからない」という、普段の彼とは似ても似つかない役を演じたことについて、そして、吉野北人との“かずほく”コンビで表紙を飾った『GLITTER vol.5』に続き、本誌テーマの『Glittering Stars!』に関する話も聞いた。

前田王司は自分と共通しているポイントが一番見つからないキャラクター

──今回のお話が来たときの率直なご感想はいかがでしたか?

「嬉しかったです。初めていただいた役(『貴族誕生 -PRINCE OF LEGEND-』の京極竜)はヤンキー王子みたいな感じで、その次の役(『HiGH&LOW THE WORST』の花岡楓士雄)もバリバリのヤンキーで。ハイローで主役をやらせていただいたんですが、この次の役はすごく重要になるというか……熟考しなければいけないというのをスタッフさんからも言われていましたし、僕もその心持ちでいたんです。どんな役がいいんだろうとか、そもそもどんな役が来るんだろうと思いながら過ごしていたんですが、『貞子DX』というビッグタイトルのオファーをいただいたときは、シンプルにめちゃくちゃ嬉しかったですし、その手があったか!って思いましたね」

──「その手があったか!」と言いますと?

「これまでみたいなキラキラしている役だけじゃなく、重たい作品やシリアスな役をやってみたかったですし、もっと本格的にお芝居で勝負していきたいと思っていたんです。そういうなかで、『ホラー映画』というジャンルは自分の頭の中になかったので、いい意味で意表をつかれましたし、これはもう絶対に受けたいですということで、2つ返事でやりますと言わせていただきました」

──今回演じられている前田王司は、表情がすごく豊かなキャラクターですよね。コミカルなものからシリアスなものまで振り幅がかなりありますが、そういった役を演じるのは楽しさもあるし、難しさもあるのではないかと思いました。実際に演じてみていかがでしたか?

「まだ演じるのは3人目ですが、自分と共通しているポイントが一番見つからないキャラクターだったんです。普段はあんなビビリ方はしないですし、何か大きな音がしてもそこまで驚かないほうなので。だから、普段消費しないカロリーを使う分、すごく疲れました(笑)。でも、難しさはそこまで感じませんでした。木村ひさし監督からも言われましたし、僕自身もすごく思っているんですが、役者をする上で川村壱馬のアイデンティティは本当に必要ないんですよね。とにかく前田王司という人間として、その瞬間を生きられればいいなと思っていました。自分だったら絶対にこんなことはしないだろうなと思うことも、役者モードのときは抵抗なくできるので、難しいというよりは、シンプルに疲れました(笑)」

──一番それを感じた演技というと?

「やっぱり大袈裟なリアクションですね。『ありがとうございますー!』って、意味のわからない方向を向いて祈ったりとか。あの演技も、最初はもう少しおとなしいテンションで演じていたんですが、木村監督から別の提案があって。監督はそういうときに実演してくださるので、それがとてもやりやすかったです。僕は感覚というか、耳がいいと言われるタイプなので、実演してくださると音で入ってきたものをそのままキャッチできるし、一発で捉えられるので、わかりやすかったです」

今の世の中とリンクしていて、現代社会を皮肉っている感じはなんだか気持ちがいいなと思った

──映画を見ていて、近年の生活の変化やデジタル中心の現代社会に向けたメッセージがすごく印象に残りました。川村さんが思う『貞子DX』の見どころはどんなところでしょうか。

「今の世の中とすごくリンクしているし、SNSの拡散力とその危険性など現代社会を皮肉っている感じは、なんだか気持ちがいいなと思いました。SNSは便利な部分はあるけれど、面倒臭い部分も多いし、なんでこんなことになるんだろうって頭を抱えることも毎日のようにあります。尖った言い方になってしまいますが、現代人のそういう感覚の麻痺している部分に気づいてもらえたらいいなと思います」

──強いメッセージが込められていますし、いろんな感情をもたらしてくれるエンターテイメント作品だなと思いました。

「僕はそこまでたくさんのホラー映画を観ているわけではないのですが、こんなにメッセージ性のあるホラー映画も珍しいんじゃないいかなって思います」

人間の裏表が一番怖いかもしれない。ただ、いい裏表もある。

──ちなみに、もし前田王司のような人が身近にいたら、川村さんはどんな印象を持ちます?

「映像が公開されたときに、『ウザキャラが解禁されている』とインスタのストーリーに上げたんです。まさにその通りの印象(笑)。身近にいたらしんどいです。あんなふうに決めゼリフを言ってくる感じも、ギャグでやっていたら面白いし、笑えるんですけど、彼はガチじゃないですか。本当に(小芝風花が演じている)文華と同じリアクションになっちゃいそうですね」

──ただ、あそこまで表情や感情表現が豊かな方って、人によっては羨ましいと思ったり、輝いているように見えたりすることもあるのかもしれないなと思うんですよね。

「確かに感情が豊かで真っ直ぐに表現できる方は素敵だなと思いますけど……裏がなければいいんじゃないかなって思います。一見すると『素直でいい人なのかな』と思っても、踏み込んでみたら『うわ……』みたいなことってあるじゃないですか」

──それこそホラーですよね。

「そうですね。人間の裏表が一番怖いかもしれないですよね。ただ、その裏表とは違って、ウチのメンバーの浦川翔平は、普段から面白いことをやったり、決めゼリフとまではいかないけど、わざとキザな感じで言ったりして、みんなをめっちゃ笑かしてくれるんです。デビュー当時、遠征先のホテルで翔平と同部屋になることが多かったんですけど、彼って実はけっこう静かなんですよ。ずっとゲームをしていたりとか。だから、大人数でいるときは、気を張ってみんなを楽しませてくれているんだろうなって。彼のそういうオモテの部分……サービス精神と普段のギャップは好きです。そういう裏表ならいいですよね」

──ムードメーカーといいますか、その場を明るくしてくれる方って輝いて見えますよね。

「僕にはできないし、やれる自信もないからやらないですけど、そういう振る舞いができる人は本当にリスペクトしてます。先輩でいうと、AKIRAさんとか。コロナ前にはみんなで食事をする機会もあったんですけど、そのときに身体を張ってみんなを笑わせてくれたり、楽しませてくれたりしてくださって。そういったエンターテイナーというか、おもてなし精神は尊敬します」

自分のコンプレックスやダメな部分と向き合うことを諦めることはない

──発売中の『GLITTER vol.5』のインタビューでも「素の自分を輝かせるためにコンプレックスやダメなところにひとつずつ向き合って、本質的なところからクリアにしていかなければならない」とおっしゃっていて。先ほどの「裏表」の話もそうですが、人間としての根本的な部分をすごく大切にされたい方なんだなと思いました。ただ、自分のコンプレックスやダメなところを見つめることは、とても大変な作業じゃないですか?

「そうですね。僕も人間なので、裏表がまったくないわけではないと思うんです。そこを限りなくゼロには近づけたいけど、やっぱりゼロにはならないじゃないですか。それはやっぱり難しいし、『ああ、こういうところあるよな、俺……』みたいに思ってしまうところが何十個もあるし、そう思わない日がないくらい。そのひとつひとつと向き合っていくことは、やっぱりしんどいときもあるんですが、そういうふうに生きたいとずっと思っているので、自分のコンプレックスやダメな部分と向き合うことを諦めることはないですね。ずっと続けていくと思います。だからこそ、ファンの方に対しても、自分が思っていることを正直に伝えることが大事だと思っていて。応援してくれている方たちに嘘をつきたくないですし、裏切りたくもない。そのために自分はこういう気持ちで活動しているということを伝えることが、表裏をなくすことにも繋がっていくと思うので、真っ直ぐにしっかり発信しながら今後も活動していきたいです」

 

■PRESENT■

川村壱馬さんの直筆サイン入りチェキを1名様にプレゼントいたします!

【応募方法】

Instagramからご応募ください。

1.GLITTER公式アカウント:@glitter_magをフォロー

2.GLITTER公式アカウントの【川村壱馬interview】の投稿に「いいね」

以上で応募完了!

 

【応募締切】

2022年11月23日(水)23:59

※ご当選者様にはDMでご連絡を致します。抽選時にフォローを外されている方は対象外となりますのでご了承ください。

 

■PROFILE■

川村壱馬

1997年1月7日生まれ、大阪府出身。2014年に開催された「VOCAL BATTLE AUDITION 4」を経て、THE RAMPAGEのメンバーに選出、ボーカルを務める。2017年1月、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビューを果たす。その後、俳優業にも活動の幅を広げ、『HiGH&LOW THE WORST』(19)に出演。HiGH&LOWシリーズ最新作『HiGH&LOW THE WORST X』(22)が公開中。

 

■INFORMATION■

©2022『貞子DX』製作委員会

『貞子DX』

“呪いのビデオ”を⾒た⼈が24時間後に突然死するという事件が全国各地で発⽣。

IQ200の天才⼤学院⽣・⼀条⽂華(⼩芝⾵花)は、テレビ番組で共演した⼈気霊媒師のKenshin(池内博之)から事件の解明を挑まれる。呪いがSNSで拡散すれば人類滅亡と主張するKenshinに対し、「呪いなんてあり得ない」と断⾔する⽂華だったが、興味本位でビデオを⾒てしまった妹の双葉から⼀本の電話がかかってくる。

「お姉ちゃん助けて。あれからずっと⽩い服の⼈につけられてて……」

⽂華は「すべては科学的に説明できる」と、⾃称占い師の前⽥王司(川村壱⾺)、謎の協⼒者・感電ロイド(⿊⽻⿇璃央)とともに、<呪いの⽅程式>を解明すべく奔⾛する。

しかし24時間のタイムリミットが迫る中、仮説は次々と打ち砕かれ――。

 

10月28日(金) 全国ロードショー

 

Photos Takao Ogata / Words Tetsuo Yamaguchi / Edit Kaori Watabe

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