Q.まずは2024年の活動をふり返って、どうでしたか？
「まず2023年がソロ活動10周年だったんですが、どちらかというと達成感というよりは新たな気持ちでのぞんだ年でした。コロナ渦による空白の期間もあったので、昨年はそこから新たなスタートを切ったような感覚でした。その延長で、2024年はZeppツアー、9月には日本武道館での公演がありました。それこそZeppツアーのタイトルのようにフルスロットルで駆け抜けた気がします。
2024年で区切ることなく、これまでのたくさんの活動がすべて繋がりをもって、この先にも続いているんだと思います。そういった意味では2024年はやっとソロ活動の集大成のような活動だったかもしれません」

Q.全国ツアーでたくさんの会場をまわっていましたが、より近い距離でファンの方とふれあってみての感想はいかがですか？
「ライブハウスはソロとしては初。以前”ACE OF SPADES” としてツアーを回ったことはありますが、バンドと違って一人きりですし、来て下さるファンの方も僕だけのファンがメインですので、正直最初は不安がありました。
僕ひとりで楽しませられるか、とか、ライブハウス独特の空気感に僕のファンの方たちは慣れてくれるだろうかと。なので、いつものツアー構成よりもさらに丁寧にいろいろ考えながら進めていきましたね。
いざ本番を迎えたら、ファン同士の絆というか、みなさんが協力しあってマナーよく楽しもうとしている姿を目にして、僕自身も新たに自信をいただけた気がします。予想以上に喜んでくれる姿を見て、またやりたい！とも思うようになりました。改めて僕とファンのみなさんとの距離も近づいて、信頼関係が強まった感じがします」

Q.特にそのなかで印象深いエピソードはありますか？
「今回のライブでは、各地方でみなさんの聞きたい曲を予めアンケートで募ったんです。それがどこもとても印象的で。まず横浜では僕の大切にしている曲である『運命のヒト』が選ばれて、北海道ではGLAYさんの『HOWEVER』が断トツ人気、大阪ではDREAMS COME TUREさんの『大阪LOVER』など、本当に各地でそれぞれの色が出ておもしろかったです。
盛り上がりでいうと、『大阪LOVER』がいちばんだったかもしれません。なんなら盛り上がりすぎて２回も歌いました(笑)。
各アーティストのみなさんの曲を歌わせていただくにあたって、単なるカラオケにならないように一曲一曲自分らしさを込めたカバーにしようという気持ちはありました。全公演はどれも思い出深く、毎回違うライブをしているような感覚で、お客さんの熱気もダイレクトに伝わってきたのがすごく印象的でした」

Q.12月24日に開催されるクリスマスライブの聴きどころを教えてください。
「2023年も行ったクリスマスライブ。昨年は26日開催ということもあって、若干クリスマスというより忘年会のようなところもあったんです(笑)。
2024年はしっかりイヴでやれますので、より本格的にクリスマス感を演出する予定です。ジャストバンドのオーガニックな世界観でより音楽的にロマンを詰め込んでお届けしたいと思っていますし、ステージ演出もイルミネーションのような綺麗なものにしようと考えています。それと、もしかしたらスペシャルなゲストが来るかもしれません！　これ以上は言えませんが、来て下さる方は楽しみにしていてください」

Q.そして、12月5日に配信される自身初のクリスマスソング『Winter Song』について。どのような曲になっていますか？
「実はこの曲、デモとして聞いてから２、３年大事に温めていた曲で、個人的にとても気に入っていたので、タイミングをはかっていたんです。先ほどお話したように2023～2024年とこれまでの活動を経て日本武道館公演後、みなさんに寂しい思いをさせないようにと0時に『DESTINY』を配信しました。
このときのジャケ写を撮影していて、いつもお世話になっているカメラマンさんといろいろビジュアルを撮っていたときに、すごく自分的にいいカットが撮れたんです。この曲だけで使うにはどれも捨てがたいなと思っていたときに、ふと温存していたあの曲を思い出して、“クリスマスライブに向けた曲を作りたい”と思ったのがきっかけです。
だから、デモ曲の段階ではまったくクリスマス感はなかったんですよ。そこから、一気に編曲や詩を書きだしたのでかなり急ピッチでしたが、バイオリニストの門脇大輔さんにお願いして生音を入れてより厚みのある仕上がりにしたりと、かなり満足のいく出来になったと思います。
歌詞については、クリスマスソングすぎず、ただのラブソングでもない、誰にでも共感していただけるようにしたかった。家族、恋人、友人でも、もちろんおひとりでも。誰か大切な人を思って過ごすクリスマスの思い出をイメージしながら書き上げました。この先もずっと、歌い込んでいけるような曲に育っていってくれたら嬉しいです」

Q.TAKAHIROさん自身のクリスマスの思い出はありますか？
「12月8日が誕生日なこともあり、クリスマスはもちろん12月を通してお祭りモードで大好きなシーズンです。特に子どものころは、地元・長崎県佐世保市にあるハウステンボスのイルミネーションをよく見に行った記憶がありますね。
思い出話といえば、クリスマス前夜、ワクワクしずぎて眠れなかった僕の枕元に、リーゼント姿の親父がプレゼントをそっと置きに来たところを目撃してしまったこと。あのシルエットはどう見てもサンタさんじゃない、と子供ながらに思ったのですが、それはそれで嬉しかったです（笑）。
EXILEとして活動するようになってからは、クリスマス近辺は歌番組ラッシュで忙しすぎて、ほぼ体調を崩している記憶しかありません(笑)。とにかく年末までなんとか走りきる、という状態が20年くらい続きましたが、今となっては楽しい思い出です」

Q.グループ加入から18年、ビジュアルも歌声も驚くほど変わらず美しいですが、それらをキープする秘訣や日々心掛けていることはありますか？
「そこまでストイックにしていることはなくて……、それこそ若い頃は相当お酒を飲んで、不健康な生活を続けていたんですけど、最近になってかなり規則正しい健康的な生活を送っていますね。
トレーニングをルーティン化するようになったのもここ数年からです。鍛えるようになってからはそれが心地よくて、いいリフレッシュになっています。特に食事制限もせず、当たり前ですけど、適度に動いてよく眠ることがいちばんかなと。それに気づくのに約40年かかりました(笑)。
早起きして、少しトレーニングをして、早いときは夜9時には寝ることも。その間に仕事を入れるようにしているので、昔とは真逆のスケジュール。やっと真っ当な人間生活を送っています(笑)」

Q.書道や絵画、俳優活動などアーティスト以外のクリエイティブな分野でも多才ですが、それらは自分にとってどんな存在ですか？
「唯一本当に無心になれる瞬間が書を書いているとき。趣味でいうと、サーフィンやバイクなどいろいろあるんですが、いつでもどこでも時間や場所を問わず、筆と墨さえあればできるわけで、いい趣味を持ったなと思います。
考えて準備して書くというよりも、そのとき出てきたものを書くことが多いです。それがストレス発散にもなっているのかなと。以前、京都で座禅を体験したことがあって。はじめは何がいいんだろうと思いながら取り組むうちに、だんだんとゾーンに入るというか、無の境地になれる瞬間を味わったんです。それに似た感覚が書にはありますね。
最近は知り合いのお子さんの命名書きをさせていただいたり、地元・佐世保の子供たちと一緒に作品を作る機会があったりと、書を通じて世代を超えていろんな方と触れ合えて、同じ気持ちで楽しめることを体感し改めて書道のよさを感じました」

Q.2025年はどんなことで楽しませてくれますか？
「EXILEとしての久々のアリーナツアーが決定しました。メンバーと全国をまわれるのも楽しみですし、王道曲をふんだんに入れたライブにするつもりなので、長年のファンの方も新たにEXILEを知ってくださる方もどちらも楽しめる内容になると思います。
ソロとしても、引き続き極力いろんな場所に行きたい。なかなか遠くまでライブに足を運べないという方にも、こちらから会いに行きたいです。まだオープンにはできないのですがここだけの話、初の試みを予定してます！　実現できたら、かなり面白いことになると思うので、期待してください」

Q.“輝き続けること”がコンセプトにあるGLITTERにちなんで、輝き続けるために日々行っているルーティンやマイルールはありますか？
「意図してやってはこなかったけど、ふり返ったときに輝くために続けてよかったと思うことは自己投資。そのときどきに夢を持って、それに向かって頑張ってきたのかなと。
決して大きな夢じゃなくたっていいと思うんです。なにか小さい目標を持つこと。誰かに会うためにネイルに行く、とかでもいいと思います。たまには自分にごほうびをあげるのも大事な気がします」

Q.最後に、あなたにとって“GLITTER”なものは何ですか？
「生ビール！　お酒が好きというのもありますが、なにかをやり遂げたあとのビールは最高においしいですよね。そういう達成感の象徴という意味も込めて」