腟まわりのこと、もっと理解を深めて!〜V-chitsu Lessons 〜
女性にとって大切な部分なのに、意外と知らない腟まわりのこと。長い間、女性の性はタブー視されていましたが、時代は変革の時を迎えました。世界的なフェムテック熱を受けて、GLITTERでは「腟まわり=美腟」とあえて名づけ、恥ずかしがらずに愛すべきパーツだと訴えかけます。さぁ、秘密の扉を一緒に開きましょ!
Love your V-chitsu 〜美腟〜
なんとなくわかっているつもりになっているけれど、実は知らない腟のこと。一生つきあわなきゃならないことだから、婦人科医の小川先生にお話を伺いました。
ジェネラルクリニック院長/小川奈津希 医師
Teach me DOCTOR!
金沢医科大学卒業。形成外科、産科、婦人科、不妊治療、美容医療、予防医学などを研鑽。all genderのかかりつけ医でありたいと考える。
【ジェネラルクリニック】
住所:東京都港区六本木6-1-8 グリーンビルディング8F
電話:03-3401-0333
健康的な腟って、いったいどんな状態のこと?
腟内は通常、pH3.8〜4.5で、酸性に保たれています。腟内にはたくさんの常在菌がいて、なかでも腟内のバランスを保つ役割を果たすのが乳酸菌の一種であるデーデルライン桿菌。腟内を酸性に保つことによって、大腸菌や、性行為によるいろんな細菌の侵入を防ぎます。しかし、腟内の環境はその人の体調や免疫力に影響されるものなので、常在菌の量はとても変動しやすいのです。
腟洗浄という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ビデをはじめ、自分で直接、腟内を洗うのは絶対にNG。いい働きをする常在菌まで洗い流してしまいます。膣には自浄作用があり、それを促すのがデーデルライン桿菌なのです。基本的に体が健康であれば、腟内のデーデルライン桿菌も正常に働いているといえます。
「おりもの」ってどんな役割を果たしているの?
腟内の状態は「おりもの」に表れやすく、腟内の健康状態を表す指標ともいえます。おりものは女性器から出るさまざまな分泌物の総称で「帯下」とも呼ばれます。主に腟壁の古い細胞や子宮頸管からの粘液、皮脂腺や汗腺などの分泌液が混じり合っているもの。通常はやや水っぽく白色、量は下着に付着する程度です。「カンジタ腟炎」の場合、カッテージチーズ状の白色のおりものが増えます。風邪や歯科の治療のために抗生剤を服用すると腟内環境のバランスが崩れ、カンジタ菌が異常増殖して起こる場合があります。つまり性行為経験がない人でもカンジタ腟炎になるということ。また魚の腐ったようなニオイを感じたら、常在菌であるガードネレラ菌が異常増殖して起こる「細菌性膣炎」になっている可能性もあります。
また「おりものが増えた」「おりものの色が変わった」「ニオイが強い」「外陰部に痛みやかゆみを感じる」「外陰部に水疱やイボができた」「性交時や排尿時に痛みがある」「性交後、性器から出血する」など、それらのいずれかに該当したら「性感染症=STI」と呼ばれる、性行為によって感染する病気になっている場合があります。すぐに病院へ行って検査を受けましょう。
腟にできるケアってどんなものがあるの?
腟内は粘膜でできているので健康的に保つためには、粘膜を強くする必要があります。なので、ターンオーバーを促進するビタミンA、ビタミンDを摂取するといいですね。もちろん、抗酸化作用のあるビタミンCは免疫力を上げてくれるので、腟内に限らず日常的に摂取することはおすすめです。
また、腟がゆるむ原因としては、加齢や出産。顔がたるむのと同じで、腟もたるむことからゆるむのです。年齢を重ねても肌がたるんでいない人もいれば、若くても肌がたるんでいる人もいるのと一緒。加齢とはほど遠いと感じる20代の子でも運動をしない、してこなかった方は内転筋、骨盤底筋の筋力が非常に弱ってしまっているのです。なので、内転筋や骨盤底筋を鍛える運動を心がけましょう。おすすめはストレッチ用ゴムを両足にかけ、内転筋を意識しながら、お尻の穴を締めて下腹部に力を入れたら、片足で立ち、もう反対側の足を前、横、後ろとゆっくり開く。これをおうちにいるときの隙間時間にやるのがおすすめです。
Photos Tomoo Shoju@BOIL / Flower styling Emi Yokoyama@KALIANg / Edit&Words Nahoko Ishii