現代を生きながら“自然回帰”する、ファッションディレクター三浦大地のライフスタイル〜Back to the Nature〜
「自然と触れ合うこと」。それが心身にとって多くのメリットがあることは周知の事実。しかし、都会にいると自然に触れる機会は減りがちです。現代を生きながら、自然を感じるには?世界を旅するファッションディレクター・三浦大地さんにお話を伺いました。
「屋久島にて。屋久島は地球本来の姿に近い島なので、自然に身を委ね、地球、宇宙、大地を感じて視野の拡大をしています」(三浦大地さん)
現代を生きる人たちにとっての自然回帰とは
ファッション界の最前線を走りながら、自然との触れ合いも大切にしている三浦さん。自身のインスタ(@daichi_1127)には、美しい景色や自然がたくさん残されています。現代のウェルネスと自然に触れることとの関係性について、どのように感じているのでしょうか。
「僕は、自然に触れ合うことだけが健康的だとは思っていません。都会の喧騒にいることで安心する人もいると思います。ただ、現代の文明は都会に集中していて、『自然と分断している』とは感じますね。全体像で見たらそれが正解なのかもしれませんが……。個人的に思うのは、現代に起こっている“不健康”とされているものは、『視野の狭まり』からきているような気がしていて。インターネットを通じて視野は広がっているかのように見えますが、むしろ画面内の世界におさまってしまっている。この状態はあたかも自分がなんでも知っているような気になりがちですが、自分の“体”を使ってその場所の空気を感じることこそ、何より自分の糧になると思っています。そこで初めて、心や体の“気づき”になるのではないでしょうか。オンラインでのMTGも便利ですが、やはり実際に面と向かって人と話すことから生み出される空気とは、まったく違いますよね? だから都会に住む人が自然に触れること、田舎に住む人が都会に触れることが、心と体のバランスを保つことだと思っています」
都会を否定するのではなく、都会のエネルギーも自然のエネルギーもバランスよく取り入れることが大切なのかもしれません。三浦さんがより深く自然を感じるために、意識していることは?
「海や森、山にわざわざ行かずとも、家の中でも自然を感じることはできます。僕は天然の香り、天然の塩、天然の鉱物を生活に取り入れています。たとえばバスタイムやフレグランス、インテリアなど。家にいながらいつでも自然のエネルギーを感じられるようにしています。あとは裸足になってアーシングするのもおすすめ。僕も自然に行ったらアーシングして、地べたに座り瞑想します。自分の心と体は突然には順応できないので、その土地のエネルギーを最初に感じとって、チューニングしますね。その土地への挨拶も兼ねて」
「クリスタルが好きで、家にいくつも飾ってあります。空間やマインドをクリアリングできる浄化アイテムとしてはもちろん、インテリアとしても素敵です」
「旅先の高野山で出会った塗香。古来から浄化アイテムとして親しまれていますが、もっと多くの人に塗香を知ってもらいたくて、リプロダクトしました。原料は漢方に使われる香木に植物の精油と鉱物をオリジナルで配合しています。浄化といわれるものって、“自然とコネクトしましょう”といったことが多い気がします」
「山伏修行で、滝に打たれて禊をしました。ここでは山伏の先立さんと一緒に無言で修験道の山を登ります。途中、行場がいくつかあり、崖から逆さ吊りにされたりしましたが、とても爽快でした」
※本記事は『GLITTER』vol.1(2021年7月5日発売号)に掲載されています。
Edit&Words Sonomi Takeo