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本郷奏多interview 映画『鋼の錬金術師 完結編』二部作が連続公開。4年を経て再確認した本作の魅力と自身の変化

2001年に月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載が開始され、魅力的なキャラクター、緻密に練られたストーリー、圧倒的で唯一無二な世界観で、超人気漫画となった「鋼の錬金術師」。2017年12月には1本目の実写映画『鋼の錬金術師』が公開。そして今回、連載20周年新プロジェクトとして実写映画の二部作連続公開が決定! 原作の感動の最終話までを描き切る、堂々の完結編となっている。1作目に続いてエンヴィー役を演じる本郷奏多が4年という歳月を経たからこそ、本作や自身の役に改めて感じたこととは。作品についての話から、発売中の『GLITTER vol.4』の大テーマである『Transformers! NEW OLD/NEW ME!! 〜変化変容で新しい自分へ〜』に絡めた質問まで、じっくりと話を聞いた。

エンヴィーの「得体の知れない敵」という部分は、1作目からずっと大事にしていた

――二部作の制作が決まり、再度本郷さんがエンヴィー役を務められることになったときの、率直なお気持ちを聞かせてください。

「正直驚きました。1作目の制作中に続きを撮りたいとは言っていたんですけど、こんなに期間が空いてから続編を撮ることはなかなかないと思うので。しかも、1作目のときのキャストが続投ということで、すごく素敵なことだなぁと楽しみながらやらせていただきました」

――エンヴィーを演じるにあたって、心がけたことはありますか?

「1作目のときは『ホムンクルスとは何か?』ということがあまり描かれず、エンヴィーをはじめとするホムンクルスには謎が多かったのですが、今回の2作目、3作目では、我々にも目的があるということが明らかになってくるんです。それでも1作目と同じ気持ちで、得体の知れない謎の敵だという部分を一番大事にしていましたね。ホムンクルスサイドは、みんな一癖も二癖もあるビジュアルのキャラクターばかりなので、映画を観ている方たちに『何なんだ、こいつら?』と思ってもらえるように心がけました」

――今回の撮影で印象的だったことはありますか?

「僕は犬や馬などの動物に変身するのですが、例えば犬からエンヴィーに変わるシーンでは犬の体勢から始めなきゃいけないんです。そこで変なポーズをいっぱい取りました(笑)。でもエンヴィーって、エンヴィーの姿のままバトルをすることがあまりなくて。他のキャストのみなさんは自分自身のまま戦うので、毎日アクションチームの方たちと筋トレや準備運動をしていたんですけど、僕はそれを横目に見ながら普通に座っていましたね(笑)」

『鋼の錬金術師』はストーリーも面白いし、人間ドラマも描かれていて魅力的な作品

――ご自身が2作目を観た感想はいかがでしたか?

「『相変わらずCGのクオリティがすごいな!』と思いました。それに、新しく参加してくださったキャストの方々も本当に豪華。1作目も含め、これだけの役者さんたちをよく揃えたなって感激しちゃいました(笑)」

――キング・ブラッドレイ役の舘ひろしさんやヴァン・ホーエンハイム役の内野聖陽さんといったベテランの方もいらっしゃいますよね。

「そうなんですよ! そういう渋くて素敵な方々が出演されることで、作品の厚みが一気にドシっとする。しかも、舘さんが演じられているキング・ブラッドレイが、本当にダンディで。でも、実はホムンクルスでめちゃめちゃ強いという、超かっこいい役になっていると思います。それと僕が嬉しかったのは、1作目で描かれていたイシュヴァール殲滅戦時代の話も、ちゃんと新規映像で作ってくれたこと。1作目で死んでしまいましたが、僕は1作目では佐藤隆太さん演じる(マース・)ヒューズが推しだったので(笑)、すごくワクワクしました」

――CG撮影はずっとグリーンバックで撮っていたと伺いました。そこにあるものをイメージしながら撮るのって、素人からするととても難しい作業なのではと思うのですが。

「確かに想像力は大事です。でも、1作目を経験していたおかげで、いろいろと想像しやすかったですね。それに、監督が曽利(文彦)さんだという安心感もあったので。だから完成したものを観たとき、ただのグリーンバックの中で撮ったものがこんなことになるんだなって改めて感動しました」

――『GLITTER』は女性誌なので、もしかすると『鋼の錬金術師』をあまりよく知らない読者もいると思います。そういう方がこの作品を観るとき、どういう部分に注目すると楽しく観られそうですか?

「『鋼の錬金術師』の原作は2001年に連載が始まったので、もう20年以上前からやっていた作品です。当時は単純なバトルものが多い時代だったのですが、その中でも『鋼の錬金術師』は、ものすごく物語が作り込まれている作品。だから、ストーリー自体も面白いですし、キャラクターたちもそれぞれ正義を持っていて魅力的なんです。キャストのみなさんも原作をリスペクトして演じている方が多い印象だったので、原作を知らない方も、できれば一度原作を読んでから映画館に来ていただけると、より楽しめるんじゃないかな。主人公のエドたちだけじゃなく、登場人物それぞれにちゃんとバックボーンがあるところも素敵なので、それも味わっていただきたいです」

僕の中ではプライベートより仕事が第一。その上で、人生を全力で楽しんでいる

――エンヴィーは様々なものに変身するキャラクターですが、発売中の『GLITTER vol.4』では“トランスフォーム”もテーマのひとつなんです。本郷さんご自身の人生の変化や、ターニングポイントを教えてください。

「僕は小さい頃から子役的なことをやっていたので、気づいたらこの世界にずっといるんです。だから、大きくは変わっていないというか。でも強いて言うなら、高校に入学するタイミングで仙台から上京したこと。ドラマや映画という大きな作品に出させていただけるようになり、この仕事を一生の仕事としてやっていきたいという思いで上京したので、そこがひとつのターニングポイントですね」

――何かきっかけが?

「やりがいみたいなものがわかってきた時期だったんだと思います。小学生のときとかは、自分が出演するシーンは本当に一瞬だったりしましたし、お芝居のことも何もわからず、言われるままにやっていただけでしたから。でも中学生になってから大きく世に出る作品を経験するようになり、反響もいただけて、自分が一生懸命頑張った作品をこんなにたくさんの人に見てもらえるんだってわかってきた。それがやりがいにつながったので、役者として生きることを決めたんでしょうね」

――その転機となる作品はありますか?

「これというわけではありませんが、例えば中学生のときに初めて映画で主演をやらせてもらえたり、地上波のテレビドラマに出させていただいたり、そういうものが重なってという感じですね。それに、かっこいい役者の先輩がたくさんいたんだと思います。『自分がテレビで見ていたこの人は、こんなに素敵な人だったんだ!』って」

――では、プライベートでのターニングポイントもお聞きしたいです。

「めちゃめちゃプライベートも楽しんでいますが、僕の中で仕事第一という考え方は絶対にブレないんです。仕事がなくなったら、自分には何も残らない。それがわかっているから、普通の人だったら“我慢”と感じてストレスになるようなことも僕にはストレスにならない。例えば、堂々と外を歩きたいとか、一般の人のような恋愛がしたいとか、そういう感情は僕には一切ないですから。そこは割り切って考えられるので、そういう意味でプライベートに重きは置いてないのかなって思います」

――この仕事ありきの自分というか。

「そうですね。この仕事ありきの自分のまま、全力で楽しめている。しかも、以前は家でひとりで趣味を楽しんでいたんですけど、1年半くらい前にYouTubeを始めたら、趣味を動画というコンテンツにすることでさらに楽しくなったんです。確かに窮屈な時代になっているのかもしれないけど、僕としては、その中で今までなかった面白いことを見つけようと思えば見つけられるなって思ったんですよ」

30代になったからこそ、求められる役の変化にもっと対応できるようになりたい

――本郷さんは、落ち込んだり挫折感を感じたら、どうやって立ち直りますか?

「落ち込むこと自体があまりないかもしれないですね。ドライに思われるかもしれないですが、僕は昔から物事を合理的に判断するタイプなんです。嫌なことがあって落ち込んだとしても、落ち込んでいる時間のほうがもったいないと感じてしまうので、起こってしまったことは仕方ないと割り切って、ノータイムで前を向き、どう変えていくべきかってポジティブな方向に切り替えます」

――今後変わっていきたいことや、新しい変化を求めるようなことはありますか?

「基本的にやりたいことはすぐに行動を起こしてやってしまうタイプなので、あまりないかもしれないです。でも、30代になって、役者としては徐々に求められる役が変化してくると思うので、それにうまく対応していきたいかな。今回の『鋼の錬金術師』もそうですけど、僕って、それこそ漫画が原作だったりする、ちょっと変わった役をやることのほうが圧倒的に多くて(笑)。もちろん、とてもありがたいのですが、年相応な普通のお仕事をしている人の役や、家庭を持っている人の役とかもやっていけたらいいなってぼんやりと思いますね。とはいえ、パパを演じるのはまだちょっと自分では考えられないし、ハマらないなとも思うんですけど(笑)。でも、長くやっていきたいお仕事なので、そういう役を演じることになったら、上手に演じたいですね」

――最後に『GLITTER』という媒体名にかけて、本郷さんが輝き続ける秘訣を教えてください。

「僕が知りたいです! 自分が輝いているとは思っていないので(笑)。でも、僕が年齢を言うと、『もっと若いと思った!』とか『見えないね!』って言われることが多いんです。さすがに制服はもう引退したと思っていますが、若く見られるのは楽しんで生きているからかなとも思います。自分の好きなことを全力で楽しんで生きている自分を、僕自身、少年のようだなって思いますから。自分が生き生きするには、それが大事な気がする。だから、もうしばらくは好きなことを思いきり楽しんで生きていきたいです」

 

■PRESENT■

本郷奏多 直筆サイン入りチェキを1名様にプレゼントいたします!

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2022年7月18日(月)23:59

※ご当選者にはDMでご連絡を致します。抽選時にフォローを外されている方は対象外となりますのでご了承ください。

 

 

■PROFILE■

本郷奏多

1990年11月15日生まれ、宮城県出身。主な出演映画に、『GANTZ』シリーズ(11)、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』シリーズ(15)、『いぬやしき』(18)、『キングダム』(19)、『Diner ダイナー』(19)、『嘘喰い』(22)など。TVドラマでは、「ラブホの上野さん」(17)、「アカギ」シリーズ (15、17、18)、「56年目の失恋」(20)、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(20~21)、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(21~22)など。

 

■INFORMATION■

©2022 荒川弘/SQUARE ENIX ©2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

 

『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』

国家錬金術師ばかりを狙った連続殺人事件が起きる中央(セントラル)を訪れたエドとアル。犯人は正体不明ながら、額に十字傷を持つことから”傷の男(スカー)”と呼ばれていた。兄弟も命を狙われ応戦するものの、圧倒的な強さの前に機械鎧(オートメイル)を破壊され、絶体絶命となる。果たして二人はこの危機を乗り越え、元の身体を取り戻すことができるのだろうか。隠されたこの国の秘密と”約束の日”、そしてエドとアルの父親の過去。幾重にも重なる謎と真実が解き明かされ、物語は圧巻のフィナーレへ。最後に兄弟が出した答えとは…? 
原作の最終話まで描き切った”完結編”―伝説は二部作で完結する。

 

『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』全国公開中
『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』6月24日(金)公開

 

Photos Yukie Abe / Words Eriko Takahashi / Edit Kaori Watabe

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