渡邊圭祐interview 初主演ドラマ『チェイサーゲーム』への意気込みと自身を輝かせるために欠かせない地元愛を語る
アーティスティックで、飾らず自然体。穏やかな時間の流れの中で生きているような独特の空気感を纏う、渡邊圭祐。この9月からは、連続ドラマ『チェイサーゲーム』(テレビ東京系)で初主演を務めることになり、さらなる一歩を踏み出そうとしている。作品、役への想いとともに、まさに“輝き”を放つ今、最新号『GLITTER vol.5』の大テーマ『Glittering Sters!』に基づく、輝いていると感じる人、自身のキラキラした思い出などを聞いた。
生々しく、会社のリアルを描いているのが印象的。ワクワクというより、関心してしまうような描写が多い。
――『チェイサーゲーム』で、ドラマ初主演を務めることが決まったときの気持ちから教えてください。
「初主演というよろこびはもちろん、同時に『直ちゃんは小学三年生』というドラマでお世話になった太田(勇)さんがプロデューサー、監督、脚本を担当される作品に出られるうれしさもあって、二重にうれしい出来事でした。やっぱり、ご縁がつながってお仕事させていただけるのは、すごくありがたいことなので」
――本作はゲームを作る人々の夢と苦労と葛藤を描いた作品ですが、原作となる同名マンガを読まれて感じたことは?
「お仕事ドラマと聞いていたので、最初はすごく能力のある人物がいるような、ちょっと非現実的な要素の強いものを想像していたんです。でも、実際は逆で生々しく、すごく会社のリアルを描いているなというのが印象的でした。ワクワクというより、関心してしまうような描写が多くて、興味深く読ませてもらいました」
――演じる新堂龍也は、ゲームクリエーターとして働く青年ですが、渡邊さんご自身はゲームにまつわる思い出はありますか?
「昔、『コロコロコミック』の懸賞で『ロックマンエグゼ2』のゲームカセットを当てたことがありました。周りは違うゲームをしている中、僕だけそのゲームをやっていたら、“何、そのゲーム!”って注目を集めたんです。その後、『ロックマンエグゼ3』が出た時にみんなが買って、学校で一大ムーブメントを起こしたっていうのが、ゲームにまつわる唯一のちょっとした自慢です(笑)」
好きだけじゃ成り立たない、うまくいかないこともある。その現実を突きつけられる感じが、現実とリンクしていて面白い。
――龍也は入社9年目にしてやっと昇進し、新規タイトルの開発を引き継いだものの、プロジェクト進行の難しさや、クセもののチームメンバーと向き合うことになります。演じてみて、どんな人物だと感じましたか?
「何かに秀でているわけではなく、ゲームへの愛情と情熱だけで泥臭くここまできたんだなっていうのが如実に出ていて。それでいて周りに振り回される、すごくピュアな心を持った凡人、才能に溢れていない主人公だなと感じました。龍也以外のキャラクター全員が、すごく個性に富んでいるんです。そのメンバーが出てきたとき、龍也の新鮮なリアクションが出るように、常に楽しみながら芝居をすることを心がけています」
――現場の雰囲気はいかがですか?
「ものすごく空気がよくて、全員がいい意味でふざけるというか、カメラの画角内に収まることに必死。映りたがりがすごく多い現場です(笑)。特に僕は上田というキャラクターがすごく好きなんですが、演じてくださる浜野謙太さんが、どんな画角であろうと絶対に何か1つ仕掛けてくるんです。その貪欲な感じが愛くるしくて。もともとゲラではあるんですけど、現場で誰よりも笑ってしまい、NGを出してしまうこともありました」
――みなさん、本当に楽しんでお芝居をされているんですね。そして、業界は違いますが、同じ働く人として登場人物や置かれた状況に共感する部分はありますか?
「龍也が個性あふれるメンバーと一緒にゲームを作る中で、今までとは違う役職だからこそ、見えてくる現実みたいなものがあって。そこと、龍也自身が目指す理想とのギャップが生まれてくるんですよね。現実世界で考えてみても、そこの折り合いって僕らが働く上で絶対に付けなくてはいけないものだと思うんです。やっぱり好きだけじゃ成り立たないこと、うまくいかないことってありますし、何かしらプラスαがないと続けることも難しい。その現実を突きつけられる感じが、非常に現実とリンクしていて面白いなと思います。その中で龍也の心がどう移ろい、どんな決断をしていくのかを見届けていただけたらと思います」
何か新しいことを始めようというより、今まで楽しんできたことの方を拾ってあげたい。自分が楽しめてきたことに時間を費やしたほうがハッピーだなと思う。
――2022年8月30日発売の最新号『GLETTER vol.5』では、『Glittering Sters!』が大テーマなのですが、渡邊さんが“輝いているな”と感じるのはどんな人ですか?
「シンプルですけど、楽しんでいる人。自分のやりたいことを精一杯、楽しんでやれている人は、輝いて見えるんじゃないかなと思います。僕も好きなことを楽しんでやっていたいので、そういう意味では輝いていたいとは思うんですけど、キラキラした感じとはまた違っていて。文字で伝えるのが難しいんですが“自分が輝いていたい!”っていう、キラキラのオーラを持った人たちのようなポジティブさは、僕にはないと思います(笑)」
――渡邊さんは、もう少し地に足が着いたというか、自分の中の輝きを大切にされている感じがします。ご自身が楽しむために、心がけていることはありますか?
「これまで30年弱生きてきて、自分が“楽しめること”と“楽しめないこと”って、何となくわかってきていると思うんです。もちろん、初めてのチャレンジは未知な部分もありますけど、新たな挑戦でも“自分は、これは楽しめないだろうな”と感覚的にわかる部分はある。だから、ある程度、手を付ける前に取捨選択をしているような気はします。自分が楽しめるかどうかのセンサーに関しては、自分に信頼を置いているので。言葉を変えれば、保守的になりつつあるってことかもしれないです」
――時間は有限なので、限られた自分の時間や力を、ちゃんと楽しめるものに注ぎたいということなんしょうね。
「そうですね。きっと、半分はそういう考えなんだと思います。例えば、1週間、時間がぽこっと空いたら、何か新しいことを始めようというより、地元の仙台に帰って友達と過ごしたいんです。自分が、今まで楽しんできたことの方を拾ってあげたいというか。自分が楽しめてきたことに時間を費やしたほうが、ハッピーだなと思うんです。だから、もし新しいチャレンジをしなくちゃいけない状況になっても、過去に楽しめたものに似たものを選択しそうな気がします」
――広げすぎると散漫になる、中途半端になるというのもあるんですかね。
「たしかに、それはあると思います。人間、初めてのことでも、ある程度はできる気がするんですよ。例えば、釣りをしたことがない人でも、実際にやってみたら意外と釣れた、みたいなことってあるじゃないですか。きっと、やればできないことはない。ただ、これは僕の考えですけど、なんでも経験すればいいってものでもないなとも思っていて。長いようで短い人生だと考えると、その中でより濃く、長くできることを選択したほうが幸せかなって個人的には感じます」
――たしかに、浅いものをたくさん集めてもっていう。
「ただやったという事実にしかならないかなって。もちろん、ちゃんと新しいチャレンジに向き合うなら、いい経験になると思います」
10代の熱量はあの頃にしかない。それが今もなお、キラキラしたものとして自分の中に残っているし、あの時間すべてが宝物。
――今、ご自身の中で“これがあると目が輝いちゃう”というものはありますか?
「仙台での仕事です。本当に地元がめちゃくちゃ好きなんです。東京での撮影が続いているときに、“仙台”っていう文字がスケジュールにあると、“お!”って目が輝いちゃいます(笑)」
――目が輝く理由は地元の人に会いたいとか、素の自分に戻れるという感じでしょうか。
「友だちに会いたいというのが、一番大きいですね。24、25歳まで仙台で過ごしているので、自分の中のリズムみたいなものが、仙台で出来上がっちゃっているんです。きっと、自分の中でベースとなるような友だちとの遊びや過ごし方を、あらかた地元で経験しているので。だから、東京での友だちとの過ごし方と、仙台での友だちとの過ごし方って、同じようで違う気がするんです」
――たしかに10代後半、20代前半って、いろんなことを知って吸収しながら自分の基盤を築く部分がありますもんね。その時間を過ごした場所が、ベースになるのは分かります。
「僕の中で、基盤は確実に仙台にある。東京に出て来て作り上げているものって、基本は仕事にまつわることなので」
――なるほど。仙台で過ごした時間も含め、人生の中で輝いていた瞬間と言われて思い浮かぶ場面はなんでしょう?
「学生の頃から、目立つことはすごく好きだったんです。みんなの前に立って、仲間と何かをすることがとても好きな生徒で、文化祭の総合司会を友だちと2人でやったりもしました。あと、文化祭のクラスの出し物って、みんな焼きそばの模擬店とか出したりするところ、僕らは体育館を借りてミュージカルをやったんです。ミュージカルというか、ただのおふざけコントみたいなものですけど。人と違うことをしたかったっていうとダサい言い方になっちゃいますが(笑)、ちょっと面白くて新しいことをしたいな、何かふざけられることはないかなって常に探して楽しんでいました。学校を賑やかしてきたという意味では、学生時代は輝いていたんじゃないかな。当時の卒業アルバムを見返すと、俺、輝いてるなってちゃんと思えます(笑)」
――ご自身はもちろん、その時間自体まるごとがキラキラしたものなんでしょうね。
「絶対に戻れない、あのときにしかない感覚ってあるな、と。それって学生という殻を捨てた途端、なくなってしまうもので。正直、今、“23、24歳のころの感覚に戻ってください”って言われたら、戻れる気がするんですけど、13、14歳の中学時代とか、17、18歳の高校時代には戻れないと思うんです。大人になると、時間ができて友だちに連絡したときに、第一候補、第二候補としてお酒を飲みに行くっていう遊びが入ってくるじゃないですか。じゃあ、お酒を飲めなかった時代、果たして自分たちは何をして楽しんでいたんだろうって、もはや分からなくなっているんですよね。10代の熱量ってあの頃にしかないものであり、あの時期だけの楽しみ方って絶対にあるはず。それが今もなお、キラキラしたものとして自分の中に残っているし、あの時間すべてが宝物だなと思います」
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2022年9月19日(月)23:59
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■PROFILE■
1993年11月21日生まれ、宮城県出身。俳優、モデルとして活躍。主な出演TVドラマに「直ちゃんは小学三年生」(21)、「推しの王子様」(21)、「やんごとなき一族」(22)など、話題作に出演。映画作品では、『ブレイブ -群青戦記-』(21)、『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』(22)など。12月23日には映画『ブラックナイトパレード』が公開される。
■INFOMATION■
©「チェイサーゲーム」製作委員会
中学時代からの夢であるゲームクリエーターとして、「ダイナミックドリーム」で働く新堂龍也(渡邊圭祐)。入社9年目にして中間管理職のプレイングマネジャーへ昇進し、新規タイトルのプロジェクトを引き継ぐことに。慣れない業務と個性的な部下に振り回されながらも、日々奮闘していた。あるとき、長期化しているプロジェクトの進行を疑問に思い、その原因を探ると何者かに妨害されていることが判明。果たして龍也らは、このプロジェクトを成功させることができるのか!?
テレビ東京系
2022年9月8日スタート 毎週木曜深夜0時30分~1時
BSテレ東 BSテレ東4K
2022年9月13日スタート 毎週⽕曜深夜0時〜0時30分
Photos Ken Ogawa / Styling Kyu@Yolken / Hair&Make-up Manami Kiuchi@Otie / Words Akiko Miyaura / Edit Kaori Watabe