黒羽麻璃央interview 異色の存在を演じる面白さと年齢を重ねて気づく輝きの尊さを語る
1998年に上映され、日本を代表するホラー映画となった『リング』シリーズ。10月28日(金)にその最新作『貞子DX』が公開される。黒羽麻璃央が演じるのは謎の協力者・感電ロイドという引きこもりの青年で、ほぼ顔が見えない。「見た者が必ず一定期間ののち死に至る」という“呪いのビデオ”の恐怖を描き、怨念がビデオを介して拡散されるという衝撃的な設定が世界中を震撼させた最恐ホラーに黒羽はどう挑むのか。作品、役への想いと合わせ、発売中の『GLITTER vol.5』の大テーマである、『Glittering Stars!』についても語ってもらった。
感電ロイドは顔が出ない分、すごく存在感がある。異様な雰囲気の持ち主。
――「貞子」は日本ホラー界のレジェンド的存在ですが、その作品に出演することになった感想をお聞かせください。
「本当に誰しもが知っている、ホラー映画といえば『貞子』シリーズという感じなので、その歴史ある作品に出演することができるのは嬉しく思いました。実は、僕はあまりホラー映画が得意じゃないんですけど(笑)、台本を読んだり、お芝居をしている中で、ただ怖いだけではなく、木村ひさし監督の色が差し込まれているので、ちょっとクスっと笑えるような部分もあって。だから、僕みたいなホラー映画はちょっと苦手だよっていう人にも楽しんでもらえるような作品になっていると思います。と言っても、もちろん怖いところは怖いので、ホラー好きの方にも満足していただけるはずです」
――黒羽さんが演じられた感電ロイドは、引きこもりでほぼ顔が見えない役柄ですよね。この役をいただいたとき、どんなふうにアプローチしようと考えましたか?
「基本リモートでの会話で、そのときは顔に加工をかけてモニターに映っているので、まったく顔が出ません。外に出るシーンでも、ガスマスクやカツラをつけているので、終始僕の顔はほとんど出ないんですよね(笑)。でも、その分すごく存在感があるというか、異様な雰囲気の持ち主でもあるんです。だから、そこから離れ過ぎないよう、この人は何者なんだろう?っていう、違和感のようなものは大事にしたいと思いながら演じていました。特別に何か色を付け足さなくても、見た目からすごいので、あとは一条文華役の小芝(風花)さんと前田王司役の川村(壱馬)くんにうまく溶け込めたらいいかなっていうくらいでした。ロイドの風貌は、どちらかというと貞子側っぽいので(笑)」
――ミュージカル『るろうに剣心 京都編』で演じていた志々雄真実も火傷をおって、全身に包帯をした顔の見えない役柄でしたよね。そういう顔が見えない中で演技する難しさがあるんじゃないでしょうか? 声の表現が重要になってくるんじゃないかと思いますが。
「志々雄の場合は舞台ということもあって、ちょっと誇張してわかりやすくしゃべっていましたけど、この映画に関しては、顔が映っていないことはあまり意識していませんでした。ガスマスクをしているときも、あくまでも自然体でやっていたので。だから、志々雄とロイドでは、ちょっと感覚が違います」
小芝さんは明るい陽な方。壱馬はやっぱりかっこいい。
――撮影は楽しかったですか?
「楽しかったです! ホラー映画って、こんな感じでできているんだな~って知ることができて。寒い時期で、撮影も深夜から朝方だったりしたので、貞子の裸足、めっちゃ寒そうとか思っていました(笑)。撮影の終盤は、昼夜が逆転してしまっていたんです。朝帰ってきて寝て、昼過ぎにまた集合みたいな。それで、朝、撮影が終わってからサウナに行っていました。現場から車で1時間半くらいのところに有名なサウナ施設があって、マネージャーさんと一緒に入って。でも、サウナを出てもどこもお店はやっていなかったので、コンビニでカップ焼きそばを買って車内で食べて、また1時間半くらいかけてホテルに帰るという(笑)。非日常を感じられて楽しかったです」
――黒羽さんが接するのは、先ほど話に出て来た川村さんと小芝さん、そして貞子くらいだと思うんですが、小芝さんと川村さんに対する印象を教えてください。
「小芝さんは明るいですね。陽な方。みんなから愛される人だなって感じました。壱馬はやっぱりかっこいいです。ふとしたときに出ちゃうかっこよさがすごくいい。撮影が終わったあと、壱馬のライブを観に行かせていただいて。そしたら、さらにかっこよかった。僕は壱馬に対する入口が、役者として王司を演じている彼だったので、THE RAMPAGEの壱馬のかっこよさはそのライブで初めて知ったんです。もうファンになりました(笑)。王司とはぜんぜん違いましたし、『HiGH&LOW』の壱馬でもなくて。でも、純粋に彼の表現力は圧巻でしたし、幅の広さも楽しめました。まるで知らない人を見ているような感覚になりましたね」
――王司はどことなく面白いですもんね。
「この映画の面白い部分は、かなり王司が担っていますから。だから、怖すぎてトラウマ級になるような作品ではないと思うんですよ。そういう意味では、ホラーデビューにもいいんじゃないかなと思います」
若さゆえのキラキラがなくなることが良くないとも思っていない。年齢を重ねる中で得る輝きもある。
――発売中の最新号『GLITTER vol.5』のテーマが“Glittering Stars!”なんですが、黒羽さんが輝いていると思うのは、どんな人物ですか?
「後輩ですね。若くてキラキラしているなって思います。たまには本当に年下?って思うようなしっかりした子もいますけど、若い人たちって純粋無垢なキラキラ感を持っているじゃないですか。それが僕は好きですね」
――それは人生を楽しんでいるのが伝わってくるということでしょうか?
「そうですね。それも含めて希望に満ち溢れている感じがするんですよ」
――ポジティブなエネルギーを発しているんでしょうね。そういう方たちが、実際に周りにいらっしゃる?
「頼もしい後輩は多いです。だから、そういう人たちを見るたびに輝いているなぁって思います。そして、その輝きはとても尊い。やっぱり、そういうのって年齢を重ねる中で、いつか薄れていくものだと思うんです。特に20代前半や中盤の方が放つキラキラ感っていうのは、何にも代えがたい。できるなら、そのままでいてほしいです」
――うらやましく感じますか?
「僕にもキラキラしているねって言われた時代もありましたからね。今、そのままでいてほしいと言いましたけど、それは当時しか出せないものなんでしょうし、通過点みたいな感じなんですよね。だから、そのキラキラがなくなることが良くないとも思っていないです。年齢を重ねる中で得る輝きもありますから」
自分が幸せだと思うことが大事。充実感が溢れている人は輝いて見える。
――ご自身が一番輝いていると思うのは、どんなときですか?
「やっぱり仕事をしているときですね。それ以外は電源を切っているので(笑)。もう完全にオフ」
――仕事をしているときは、エンターテイメントの世界に生きる人間としての責任感がありますもんね。見ている人たちに希望を与える存在なので、そのためには輝くためのパワーが必要なんだと思います。
「そうですね。誰かに喜んでもらえるものを作るのが、最近は特に楽しいなって思います。すごく充実感があるので、これからもどんどん展開していきたいです」
――そう思うようになったのは、年齢を重ねたからですか?
「そうかもしれません。自分が楽しめるかもどうかも大事ですけど、周りを巻き込んで、どうみんなに楽しんでもらえるものを作るか。そういうことが自分は好きなんだなって、最近気づきました」
――例えば舞台だったら、お客様が笑顔になっている姿を見ると嬉しくなるとか。
「ああ、届いているんだなって思います。そのためには舞台上で輝かなければいけないので、スイッチはオンで。その輝きのために、普段は充電しています(笑)。本当にプライベートはしょうもなさすぎるくらい地味で何もないんですよ(笑)。その辺をずっと自転車で走っていますから」
――そういう日常に溶け込む時間が、まさに充電期間。黒羽さんが輝くために欠かせないものなのかもしれないですね。
「何も考えない時間は好きです。何にも追われてない瞬間というか。セリフを覚えなきゃ!とか、これやらなきゃ!っていうの一旦忘れて、ソファに横になりながら永遠にTikTokを見ているとか、ある意味ちょっと無駄な時間かもしれないですけど、それがすごく幸せなんです」
――先ほどサウナの話もしていましたが、そういう時間も大切なんですね。
「自分が好きなように好きな時間の使い方をして、リフレッシュしています」
――そんな黒羽さんが、輝いていると思う女性はどんな方ですか?
「楽しそうにしている人は、やっぱりいいですよね。何かにワクワクしていたりとか、よく笑っていたりとか。そういう陽のエネルギーが働いているときって、雰囲気で伝わるじゃないですか。 “この人、今楽しいんだろうな”っていう輝きが発せられていて。そういう人は見ていて気持ちがいいです」
――では、そういうワクワクするようなものを見つけることが輝く秘訣かもしれませんね。
「女性は男とは感覚が違うので難しいんですけど、結局は自分が幸せだって思うことが大事だと思います。充実感が溢れている人は、やっぱり輝いて見えますからね」
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2022年11月13日(日)23:59
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■PROFILE■
黒羽麻璃央
1993年7月6日生まれ、宮城県出身。2010年「第23回JUNON SUPERBOY CONTEST」で準グランプリを受賞。2012年、ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンで俳優デビューを果たす。舞台を中心に活躍を続け、2018年にはミュージカル「刀剣乱舞」の刀剣男士としてNHK「第69回紅白歌合戦」に出場。2020年、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」で主演のロミオ役を演じ、2022年はミュージカル「るろうに剣心 京都編」志々雄真実役にて出演。また、今年8月に映画『野球部に花束を』が上映され、現在、ミュージカル「エリザベート」公演中。さらに、10月27日から放送の「恋と弾丸」(MBS)にセミリオ役で出演。
■INFORMATION■
©2022『貞子DX』製作委員会
『貞子DX』
“呪いのビデオ”を⾒た⼈が24時間後に突然死するという事件が全国各地で発⽣。
IQ200の天才⼤学院⽣・⼀条⽂華(⼩芝⾵花)は、テレビ番組で共演した⼈気霊媒師のKenshin(池内博之)から事件の解明を挑まれる。呪いがSNSで拡散すれば人類滅亡と主張するKenshinに対し、「呪いなんてあり得ない」と断⾔する⽂華だったが、興味本位でビデオを⾒てしまった妹の双葉から⼀本の電話がかかってくる。
「お姉ちゃん助けて。あれからずっと⽩い服の⼈につけられてて……」
⽂華は「すべては科学的に説明できる」と、⾃称占い師の前⽥王司(川村壱⾺)、謎の協⼒者・感電ロイド(⿊⽻⿇璃央)とともに、<呪いの⽅程式>を解明すべく奔⾛する。
しかし24時間のタイムリミットが迫る中、仮説は次々と打ち砕かれ――。
10月28日(金) 全国ロードショー
Photos Yukie Abe / Words Eriko Takahashi / Edit Kaori Watabe