ベトナム王朝時代へとタイムスリップ! 歴史のロマン薫る古都【フエ編】
去年よりもぐっと自由度が増した今年の夏は、久しぶりに海外旅行のプランを考えている人も多いのでは? エディター君島も例に漏れず、約15年ぶりにパスポートを取得し、ベトナムへとトリップしてきました! 私が訪れたベトナム中部のダナン・ホイアン・フエの3都市は、世界各地にあるリゾート地の中でも、ツーリストが今最も行きたいデスティネーションとして熱視線が集中するホットスポットのひとつです。
前編の【ダナン・ホイアン】に続いて、後編となる今回は古都フエを巡る旅をレポートします。
Day3:壮大な歴史のストーリーを感じるインペリアルシティ・フエ
かつてベトナム最期の王朝であるグエン王朝が栄華を極めたフエは、日本でいえば京都・奈良のような場所でしょうか。街には世界遺産に登録されている寺院や王宮が点在し、ベトナムの歴史の変遷を辿ることができます。
私がフエに到着してまず感じたのは、前日までいた大都会ダナンとは打って変わって、とてもゆったりとした時間が流れているということ。街には高層ビルがなく、青々と広がる空、そしてフォン川が穏やかに流れる静かな美しい眺望に、古都ならではのエレガントな風情を感じます。
白亜のラグジュアリーリゾートホテル『シルクパス グランド フエ ホテル&スパ』
フエの拠点としたのは、東南アジアのラグジュアリーデザインホテルアワードを受賞したこともある『シルクパス グランド フエ ホテル&スパ』。伝統的なインドシナ建築とフランス宮殿をイメージしたデザインが融合した館内は豪華な調度品で彩られ、インペリアルシティ、フエにふさわしいロイヤル感に溢れています。さらに、美しく整えられたトロピカルガーデンと屋外プール、日本ではまず味わえないホテルメイドの宮廷料理に舌鼓を打つことができ、ホテルステイを楽しむにも申し分なし!
壁のモザイクに注目! 豪華絢爛な装飾の中に眠る第12代皇帝『カイディン帝廟』
ベトナムの世界遺産の中でも最も壮麗といえる建築物が、第12代皇帝カイディン帝の陵墓である『カイディン帝廟』。カイディン帝は大の親仏家で派手好きであったことから、フランスのバロック様式と東洋の様々な建築様式が融合した非常にユニークな建造物に、莫大な財を注ぎ込み華美で煌びやかな装飾を施しました。壁のモザイク装飾の一部には、なんと日本のビール瓶のカケラを見つけることもできます。
華やかな色彩と香りに満ちた世界。フエの線香村『トゥイスアン村』
『カイディン帝廟』とも近いフエ郊外にあるのが、線香村として知られる『トゥイスアン村』。ここで作られる線香は、かつては王朝にも献上されていたベトナム伝統工芸品のひとつで、最近は機械製のものが増えるなか、今も伝統の手作り製法を守っています。村の通りには赤、黄色、緑といった色とりどりの線香の芯の束が花びらのように並べられ、その美しい色彩の世界に思わず写真を撮る手が止まらなくなる観光客が続出!
天女伝説が伝わる、フエで最も古く美しい寺院『ティエンムー寺』
夕暮れ時に訪れたいのが、天女のお告げにより1601年に創建されたという伝説が残る『ティエンムー寺』。目の前にフォン川を望む丘の上にあり、サンセットを見渡すことができます。また、美しい境内の庭園にも夕陽が差し込み、日が沈むとともにいっそう神々しい雰囲気に。観光地ではありますが、ベトナムだけでなく周辺国の仏教徒も参拝に訪れる、とても格式の高い寺院です。そのため、肌の露出はNG! 過度な露出をしていると本堂には入れないため、肌をカバーする羽織りを用意しておきましょう。
DAY4:旅の最後は、皇帝が鎮座した王宮で歴史に思いを馳せて
凛とした美しさに心奪われる。大輪の花が咲き誇る蓮池
池の泥水の中かから美しい大輪の花を咲かせる“蓮”は、ベトナムの国花。6月〜7月にちょうど見頃を迎え、私は運良く滞在中に花開くシーズンにフエの蓮池へ行くことができました。蓮は日の出とともに咲きはじめるので、最も美しい瞬間をねらうなら午前中に鑑賞するのがベスト!
威風堂々と佇まう。栄華を今に伝える古都フエの象徴『グエン朝王宮』
旅のラストは、フエを代表する最大の観光スポット『グエン朝王宮』へ。広大な敷地内には、皇帝即位の儀式が行われた太和殿、皇太后の宮殿、皇族たちが娯楽を楽しんだ劇場など、華やかな宮廷文化を物語る多くの建築物が残されています。また、タイミングが合えば宮廷雅楽の演奏者たちと遭遇することもでき、気分は一気に雅な王朝時代に!
ちなみに、肌の露出をNGとする場所もあるため、ここでも肌を覆う服を持っておくと◎。そして、王宮内はとにかくスケールが広くて、しかも暑い!(夏のフエは酷暑です)。そのため、体力に自信のない人は運転手つきのカートで回るのが安心かも!?
フエで訪れたいレストラン&ローカル食堂3選
古都フエで食を満喫するなら、まずは宮廷料理! 高級食材をふんだんに使った、かつては皇族のみが口にすることを許された豪華で見た目にも美しい料理です。また、フランス植民地時代の影響から本格フレンチを楽しめるレストランも点在しているため、旅の後半にベトナム料理から気分を変えたくなったときのために知っておくのもおすすめ。そして、フエに訪れたなら必ず食しておきたいのが、郷土料理のブンボーフエ(牛肉ライスヌードル)。庶民に親しまれる麺料理なので、街中の食堂ですぐに見つけることができます。
1.目も舌も大満足! 王様気分でリッチに美食を堪能 『コン・ジャン・スア』
まるで王宮を模したような雰囲気の中で宮廷料理を提供する『コン・ジャン・スア』。宮廷料理は、鳳凰の飾り切りが見事なパテの前菜から始まるのがお決まりです。そこから、米粉の生地の上に海老やカリカリの豚の皮をのせた「バインベオ」、米粉生地の中に海老を入れてバナナの皮で包んだ「バインナム」などが続きます。奥には皇族の伝統衣装が用意されており、コスプレを楽しむことも。衣装に着替えれば、ますますリッチな気分が盛り上がるかも!?
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2.上皇・上皇后両陛下も訪れた、格式高いフレンチベトナミーズレストラン『ラ・パルファン』
2017年、上皇・上皇后両陛下がフエを訪問した際にディナーを召し上がったという『ル・パルファン』。フランス統治時代に建てられた総督の邸宅を改築した5つ星リゾートホテル『ラレジデンスホテル&スパ』内に併設されています。フランス料理とベトネム料理の両方を提供していますが、今回のランチのコースメニューではフレンチをチョイス。洗練された空間と料理の数々が、これ以上ない優雅なひとときを演出してくれます。
公式HP
3.ブンボーフエ発祥店の“お隣”。安うまローカル食堂『ダクベットソー1 チンゴック』
こちらはなんと、ブンボーフエ発祥の店といわれる“お隣にある”お店(笑)。発祥店は早々に売り切れてしまうようで、お隣の食堂でブンボーフエを食べることにしました。しかし、知名度は発祥店には負けるかもしれませんが、こちらのブンボーフエもなかなか。すっきりクリアなスープはお店秘伝のダシが効いて、暑い日でもごくごく飲めてしまうような後引く旨さ! 薬味やハープ、野菜などをたっぷりトッピングして、さらに卓上のライムやピリ辛の調味料で味変しながら食べることで最後まで飽きずに楽しめます。庶民も通うブンボーフエのお店は街のいたるところにあるため、食べ比べしてみるのもアリ!
17 Ly Throng Kiet, Hue
ベトナム旅お役立ちアイテム
ここでは、個人的にベトナム旅行であってよかった!というアイテムをご紹介。
1.ベトナム伝統の麦わら帽子、ノンラー
街のお土産屋さんですぐに購入できるのが、ノンラー。もちろん、日本からも日焼け対策として帽子を持参する人は多いと思いますが、現地でノンラーを被ってしまうと、もう他の帽子は被れません(笑) 夏のベトナムの強烈な日差し から頭部を守ってくれるだけでなく、風通しがいいから蒸れずに快適! しかも髪もぺちゃんこになりません。それにノンラーを被って写真を撮れば、なんとなくベトナムらしい雰囲気も増してより映えるような…?
2.アウトドアボディスプレー&ノンケミカルの日焼け止め
ベトナムでは蚊を媒介してテング熱に感染してしまうことがあると聞き、用意したのがパーフェクトポーションの「アウトドアボディスプレー」。アロマの香りで虫がよりつきづらくなる効果が期待できるため、観光の際はこれを全身にスプレーしていました。日焼け止めも、同じくパーフェクトポーションのアロマの香りがする「ナチュラルアロマ サンスクリーン」を。ノンケミカルのオーガニック製であれば、ビーチで遊ぶときも海を汚さずに済みます。
3.PopSocketsのグリップ&スタンド
今回の旅では記録として写真もたくさん撮りたかったので、カメラ機能がより使いやすいようにPopSocketsのグリップとスタンドもGET。iPhoneを立てかけながらホルダー部分を動かせるから、セルフタイマー機能で撮るときに画角が調整しやすい! また、ホテルでお風呂に浸かりながらYou Tubeを見たいときにもとても便利でした(笑)。
海外旅行のリハビリ先はベトナムが大正解!
今回、私にとって6年ぶりの海外旅行となりましたが、ベトナムでは何のトラブルもなく、とてもスムーズに旅を楽しむことができました。日本からベトナムへは飛行機で約5時間と意外と近いうえに、時差もたったの2時間。そのため、時差ボケに悩まされることなくすぐに旅を満喫できるのです。
そしてなにより、食事がおいしい! ベトナム料理は日本と同じく米が主食なので日本人の口に合いやすく、味付けも他のエスニック料理と比べて辛すぎたり脂っこすぎたりすることがほとんどありません。しかも、野菜やハーブがたっぷりだからヘルシー!
物価に関しても、円安のせいで旅するにはまだまだハードルが高く感じる欧米諸国と比較すれば、ずっとリーズナブルです。だからショッピングや食をケチらず楽しめるのも好ポイント。
さらに、世界でも有数の親日国だからなのか、ホテルやレストランのスタッフがとても親切だったことも旅が快適に感じた理由のひとつだと思います。
個人的に初めて訪れた国でしたが、3泊5日があまりにも楽しく、すっかりベトナムという国の虜に! なんなら少しの間住みたいとさえ思えるぐらい大好きな国になりました。きっとあなたも、一度訪れればリピートしたくなるはず!? この夏こそ海外旅行を!と考えている方は、ぜひ次なるデスティネーションとしてベトナムをご検討くださいませ。
ベトナム航空
PROFILE
君島友喜
旅好きのGLITTERエディター。最近、遺伝子検査をしてみたところ6%ベトナム人の血が混じっていることが判明! 遠い祖先の血が、私を今回ベトナムに呼んだのだな、と勝手にロマンを感じています。
Instagram:@yuki_k333jm
Text Yuki Kimijima