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2024.08.19

ダンサーの地位向上を目指したい。世界的ハウスダンサー・Miyuの挑戦

目標ができたらまず逆算!世界一位になるためのメンタリティとは?

ーダンスを始めたきっかけについて教えてください
8歳の頃、地元のお祭りで踊っている子たちをみて「私も踊りたい!」って思ったのがきっかけです。そこから地元のスポーツセンターのダンスレッスンで、ストリートダンスを習い始めました。数年間そのスポーツセンターに通ったのち、世界大会や全国大会で優勝しているスーパーキッズばかりがいる超スパルタの「スーパーキッズ育成スタジオ」に入り、全ジャンルのダンスを教わりました。
そこでは5段階の階級に分かれていて、 全ジャンルが平均的に上手じゃないと上のクラスには上がれない制度があり、昇級試験がなかなか受からず、3回落ちてしばらくは1番下のクラスにいました。 小6から中3ぐらいまでそのスタジオにいましたね。

ーダンスを初めてから最初のターニングポイントとなった出来事はなんでしたか?
15歳のときにチェコで開催された大会に連れていってもらったことです。そこではダンスキャンプとして世界中から集まったスーパースターのレッスンが朝から夕方まであり、夜には大会が毎日開催されているのですが、私にとっての初めての海外の大会で、見るもの全てに衝撃を受けました。その経験のおかげで、私も世界を目指したいと思えました。
先週、同じイベントでチェコに行ってきたのですが、今度は自分が教える立場として招いてもらいました。昔の自分のような子をみて、好きなことを突き詰めて欲しいって思いましたね。

ーその後、19歳で世界大会で優勝されますが、当時はどのようなモチベーションだったのでしょうか?
小さいときからその大会をYouTubeで見て、動画もダウンロードもしていて。「絶対ここに立つ!」って目標を紙に書いてもいました。それくらい思い入れがある大会だったので、出場すると決めてからは1年間その大会だけに向けて練習をしていました。
周りは私が優勝するなんて思っていなかったと思いますが、ひたすら努力し続けて優勝ができて、夢って叶うんだなと実感しました。

ーそうしたメンタリティやポジティブ思考を持つために大事なことはなんでしょうか?
実は私、15歳まではめちゃくちゃネガティブだったんです。ポジティブ思考になったのは世界を目指すようになってからで、それまでは「世界大会や全国大会に出なよ」と周りに言われても出たくないって言ってて。「じゃあ出ない理由を紙に書いてみたら?」と言われて書いた言葉が「まだ下手だから」だったんです。すごくネガティブでした。
でも、ポジティブじゃないと勝つことはできない、と思い直して、今では目標ができたらまず逆算して考えます。そうすると今なにをしたらいいかが明確になります。「今これをやれば絶対叶う!」という答えが出てきたら、あとはそれをやるだけです。世界や勝負の場に身を置いたことで、自分の性格も変わりました。

変わらない環境に、自発的なSNSの発信で変化を起こす

【衣装クレジット】
キャミソールワンピース¥44,000/Seivson チュールスカート¥24,200※インナースカート付き/MAISON SPECIAL イヤリング¥495,000、バングル¥88,000/under the rose リング¥19,800/Reflection その他/モデルまたはスタイリスト私物

ー世界大会一位になってからは環境が大きく変わりましたか?
それが、ダンサーで世界一をとっても環境は全く変わらなくて。きっと周りからの見られ方は変わったと思うんですけど、自分自身がやる仕事とか環境自体は特に変わらなかったです。そうしたこともあり、自分のダンスをもっともっと届けたいと思ってSNSで積極的に発信を始めました。
私がやっている「ハウスダンス」はマイナーなジャンルで、ただダンスだけをTikTokにあげてもすぐスワイプされちゃうと思い、「#高速ステップ」というハッシュタグを考えました。1秒見て「すごい!これどうなってるの!」って思ってもらうことが大事かなと思って。するとだんだん見てくれる人が増え、知ってくれる人が着実に増えて、結果的にTikTokアワードもいただくことができました。
SNSはTikTokには分かりやすくてキャッチーなダンスをあげて、Instagramのリールには私のダンスの本質が分かるものを載せるように使い分けています。自分のダンスをきっかけに何かを始めてくれたり、 元気をもらったと言ってもらえるととても自分のモチベーションになりますね。

ー19歳で世界大会で優勝されてからTikTokで話題になるまでの期間、苦しかったことや苦労したことはありますか?
苦しいなあと思ったことは全くないです。あの時こうしとけばよかったな、とか思うことはありますが、そうした失敗や後悔が全部自分の今後に生きていると思っています。自分の中にやりたいことや目標や夢があるので、そこからズレていない限りは不安に思うこともないんです。 

そんなMiyuのお気に入りファッションアイテム&憧れは?

ーいつも持ち歩いてるお気に入りのアイテムは?
サングラスは毎日必ず持っていて、コレクションしています。その日の気分で選びますが、最近は「Gentle Monster」がお気に入りです。

ー「GLITTER」にちなみ、”私にとってのグリッターなモノヒトコト”を教えてください。
「夢」です。自分自身もそうですが、夢を追いかけている人って一番キラキラしているし、夢を追いかけている時間が自分も一番キラキラしているなって思います。

ー好きなブランドやファッションの参考にしているものや人などはありますか?
モデルのHailey Bieberと、Instagramで見つけてから参考にしているインフルエンサーのAlicia Roddyをファッションの参考にしています。好きなブランドはDIESEL、Acne Studios、CELINEですね。

ーロールモデルや目標としている人はいますか?
Hailey Bieberです。かわいくて美しくて、芯があって強い女性で、自己プロデュース力に長けているところに憧れています。強いはずなのに雰囲気が柔らかいところもとても素敵です。

今年は13ヶ国を飛び回る!ダンサーの地位向上を目指す

【衣装クレジット】
トップス¥14,300、ベアトップス¥25,300/JOSE MOON パンツ¥11,000/led. tokyo サンダル¥19,800/YELLO リング(右手人差し指)¥13,000/Reflection リング(左手中指)¥385,000/under the rose

ーダンスの時に欠かせないアイテムや気持ちを高めるためのアイテムはありますか?
大会の前は、なるべく平常心を保てるように意識しています。テンションを上げたいときは好きな音楽を聞きます。最近はSilk Sonicにハマっているのと、ONE OK ROCKもよく聞いています。欠かせないアイテムは二十歳のときに親にもらったネックレスです。寝る時やお風呂の時もずっとつけていて、お守りです。

ー世界中を移動しているMiyuさん。飛行機ではどんな風に過ごしていますか?
飛行機の中ではずっと寝ています(笑)飛行機に乗ったらまず最初にトイレに行って、そこからとにかく寝ます。目が覚めたら着いたらすぐ使えるように英語を聞くようにしています。プライベートで海外に行くことは幼稚園の頃以来なく、全て仕事で行っています。今年はすでに3ヶ国に行きましたが、これからさらに10ヶ国行く予定です。

ー一番お気に入りの国はどこですか?
思い入れがあるのは世界大会で優勝したフランスですね。それ以外だとオランダが好きです。普段日本にいる時には常に考え事をしていて頭が働いているので、時間がゆっくり流れているオランダに行くととても解放されます。

ー今後の展望や目標、やってみたいことなどを教えてください。
日本だけじゃなく世界で、ダンスとダンサーの社会的地位の向上を引っ張っていきたいです。SNSのおかげで、ダンスを見ることが当たり前になってきたり、メディアや広告にダンサーが起用されることも増えましたが、それでもまだまだです。歌手や俳優の方々と同じ土俵でダンサーという肩書きで並ぶことが今の目標です。

 

PROFILE

Miyu

世界最高峰のバトル大会「JUSTE DEBOUT 2017 WORLD FINAL」でワールドチャンピオンに輝くなど、国内外のバトルで多数のタイトルを持つ世界的ハウスダンサー。自らの可能性を広げ、「ダンサー」の社会的な地位向上を目指すため、教育現場・公共イベントでのワークショップや講演、ファッションモデルや広告出演など、ダンスシーンにとどまらず様々な分野で活動を展開している。細かく速い超絶技巧の「#高速ステップ」はSNSでも話題になり、「TikTok Awards 2022」では「Dance Creator of the Year」を受賞。

 

【衣装問い合わせ先】
・JOSE MOON:03-5770-9041
・led. tokyo:led.tokyo@rsvtokyo.com
・MAISON SPECIAL AOYAMA:03-6451-1660
・Reflection:@reflection.co_official(Instagram)
・Seivson:https://www.seivson.com
・under the rose:0942-39-9731
・YELLO:03-6804-8415


【STAFF】
Photograph:Norikazu Hashimoto
Styling:Ippei Soga
Hair&Make-up:Arisa Muramiya
Interviewer:Saho Maeta
Editor:Akira Okamura

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