【初心者でもできる瞑想のやり方】朝や寝ながら、スキマ時間できる簡単な方法をレクチャー!
リラックス効果や自分の能力を発揮しやすくなる効果を感じられると話題の瞑想。「やってみたいけれど、やり方が分からない」「トライするも続かない」という人は少なくないはず。今回は瞑想やサウンドバスの指導者であるHIKOKONAMIさんが、瞑想とは?という基本的なところと、初心者でもできる簡単なマインドフルネス瞑想のやり方を解説。そして実際に日々瞑想を行っている、永田杏奈さんの体験談をご紹介。瞑想は朝だけではなく、夜や寝ながらやってもOK。この機会に、瞑想を始めて心のバランスを整えよう。
今回教えてくれたのは… HIKOKONAMIさん
サウンドセラピスト・アーティスト・メディテーションティーチャー。幼い時から仏教の教えを受けて育ち、家庭では音楽とともにある日々を送る。 2005年に渡米。ニューヨークの禅センターやシャンバラセンターで、仏教の本質や考え方を学び、2019年に帰国。自身のコミュニティ「Freakin’ Calm」では、誰でも無料で参加できるマインドフルネス瞑想を、毎朝7時からZoom上で実施している。10/23(土) 7:00〜9:00には、新宿御苑にて音楽プロデューサー大沢伸一さんと一緒に、瞑想×音楽のイベントを実施予定。(@hikokonami)
【目次】
- そもそも瞑想・マインドフルネスとは?
- 瞑想をすることで感じる2つの効果
- 初心者でも簡単にできる!瞑想のやり方
【やり方①】スキマ時間を使う
【やり方②】座った体勢・寝た体勢で行う
どちらのやり方にも当てはまる「呼吸法」と「あり方」
心がざわつく人はアプリやガイドを頼る - 永田 杏奈さんが感じた瞑想の効果ややり方とは?
- こんな人はNG。瞑想をするときの注意点
- 【朝と夜】時間帯によって変わる瞑想の目的
- ほかには、こんな瞑想の種類も
- 瞑想のやり方やマインドフルネスの本質が分かる本
そもそも瞑想・マインドフルネスとは?
「瞑想にはたくさんの種類がありますが、認知度が高いのは『マインドフルネス瞑想』です。マインドフルネス瞑想とは、古くからある仏教の教えのひとつで、瞑想を日常の生活に落とし込んだ取り組みのこと。例えば仏教の中で最も短いお経といわれている般若心経では『今生きている、この瞬間を感じよう。思っていることや感じていることは、すべて思い込みである』ということを言っています。そしてマインドフルネスの本来の意味は『マインド(心)をフル(満タン)にする』。すなわちマインドフルネス瞑想とは、『今この瞬間、今ここにある自分の存在を“心を込めて”感じる』ということなのです」
「心を込めて今を感じるという意味を持つマインドフルネスの概念は、すべての生活に当てはまります。例えば食事をするときに、ながら食いをするのではなく、しっかり味わって食べ、自分の体がどんなふうに感じるのか、どう反応するかを噛み締めるのはマインドフルネス・イーティング。ぼーっとしながら、そよ風やお日様を感じながら歩くのはマインドフルネス・ウォーキング。マインドフルネスや瞑想とは、ただ単に座って心を無にすることではありません」
瞑想をすることで感じる2つの効果
米ハーバードメディカルスクールの心理学部講師であるSara Lazar博士によると、瞑想を8週間行うことで脳の機能や形状が変化して、不安やストレスに対して反応する要素が小さくなり、学習と記憶に必要な海馬や自己認識をする機能が向上することを、ハーバード大学の広報新聞「Harvard Gazette」で語っている。ここではHIKOさんが、瞑想がもたらす効果を2つに分けて解説。
①自律神経が整い、リラックスできる
「マインドフルネス瞑想をすることによって得られる効果として、よく言われているのが自律神経が整うことです。科学的に証明もされていて、瞑想をすることで副交感神経が優位になり、リラックス状態になります。リラックスすると体の緊張がほぐれて、巡りがよくなります。そのことで体温が上昇して、自己免疫力がアップするのも瞑想がもたらす効果のひとつです」
「マインドフルネス瞑想は、不安感を持ちやすい人や不眠症の人にとっても効果的です。不安障害や不眠症になる原因のひとつが自律神経の乱れだといわれています。瞑想をすることで副交感神経が優位になると、リラックスしやすくなり、眠りにもつきやすくなります」
②記憶力や集中力を発揮できる
「副交感神経が優位になって心が穏やかになることで、もともと自分が持っている能力を発揮しやすくなります。冷静さを取り戻すことで、もとある記憶力や集中力をうまく使えるようになります。勘違いしてほしくないのが、マインドフルネス瞑想をすることで、もともと自分が持っている能力よりも、高い何かを手に入れられるワケではないということ。
昨今では『瞑想をすると、仕事の能力がアップする』というキャッチフレーズをよく見かけますが、良いことだとは思っていません。そもそも瞑想によって今の自分がもつ能力がグンと上がることはないですし、瞑想によって願いを叶えようとする行為は、『自分は十分ではない』『自分には何かが足りていない』というネガティブな思考を強化してしまうこともあります。自分にはないものよりも、今感じるものに集中して瞑想を行いましょう」
初心者でも簡単にできる!瞑想のやり方
「欧米では、瞑想をすることは『心をジムに連れていくこと』と言われています。心の筋トレである瞑想はすぐに効果は感じにくいものの、毎日15分を8週間以上行うことで、よい効果を感じられる傾向にあります」とHIKOさん。やり方を知って、日常に瞑想を取り入れてみよう。
【やり方①】スキマ時間を使う
歩いているとき、電車に乗っているとき、バスで通勤しているときなどのスキマ時間を使って瞑想をするやり方。「移動するときに音楽を聴いたり、本を読んだりしているなら、それをやめてマインドフル瞑想の時間に当てます。1日15分ほど、風の音に耳をすませたり、空を見たり、風景をながめたりして、今この瞬間を感じましょう」
【やり方②】座った体勢・寝た体勢で行う
「マインドフルネス瞑想は、なるべく座って行うことが良いとされています。座るときは肩は丸めずにまっすぐと正し、心地いい姿勢でいることを心がけてください。肩を開くと呼吸がしやすく、反対に丸まっていると不安な気持ちになりやすい傾向にあります。座るのがつらいときは、仰向けに寝転がります。体の感覚や呼吸に意識を向けることで、リラックス効果を得ることができます」
「瞑想をするときは、体の心地よさが最優先です。姿勢によって体のどこかに負担がかかると、瞑想中につらく感じてしまいます。痛みは我慢せずに、自分が心地よくいれる体勢で行ってくださいね」
どちらのやり方にも当てはまる「呼吸法」と「あり方」
「マインドフルネス瞑想においては、特に呼吸法は考えず、自分がリラックスできるような呼吸を意識してください。どんどん呼吸を深く、穏やかにしていくイメージで、ナチュラルに行うことができればOKです。マインドフルネス瞑想をするときは、目を開けた状態で行います。半目状態で、目の前の2m先あたりにある床にそっと視線を置いて、今の瞬間や自分にソフトフォーカスしましょう」
心がざわつく人はアプリやガイドを頼る
「瞑想中に心がざわついてやりづらさを感じる人は、コミュニティで瞑想をしたり、音声や自然音を聴きながらできる瞑想アプリを使ったりするのがおすすめです。コミュニティで人と一緒に瞑想をやったり音をプラスしたりと、ちょっとだけやり方を変えるだけで心地よくできることもあります」
■Freakin’ Calm
HIKOさんが運営するコミュニティ。毎朝7時からZoom上でマインドフルネス瞑想を行っている。誰でも無料で参加できる。(公式サイト)
■RELOOK
睡眠専門医や精神科医のサポートを受けた音声コンテンツを用意している瞑想アプリ。シーンごとに音声や自然音を300種類以上、保有している。(公式サイト)
永田 杏奈さんが感じた瞑想の効果ややり方とは?
食・ウェルネス・メンバーズラウンジが融合した複合施設「EAT PLAY WORKS」のコミュニケーションディレクターを務めていて、現在は育休中の永田 杏奈さん。瞑想を取り入れて1年半弱ほどになるそう。「瞑想をする前は『忙しいときに瞑想をする時間なんてない』と思っていました。だけど今は忙しいときほど、瞑想がいろんなことを整理してくれると思っています。現代人は呼吸が浅いと言われているので、瞑想をして呼吸を感じ、自分の体と向き合うことはすごく大切だと実感しています。子供が産まれてからは、朝に瞑想の時間がとれないので、夜のひとり時間に行っています。『Relax Meditation』というアプリを使い、キャンドルを焚いて10分ほど瞑想をします。出産前は、朝にもう少し長い時間、毎日のようにできていましたが、今はそうはいかないので、無理をしない程度に週1〜2回行っています」(@annanagata)
こんな人はNG。瞑想をするときの注意点
「怪我をしていて痛みを感じているときや鬱状態のとき、心や体のどこかがすごく苦しいときは瞑想は控えてください。痛みを感じているのに、マインドフルネス瞑想でこの瞬間に集中すると、より痛みが増してしまう可能性があります。痛み止めを飲むなり、休憩するなり、自分の体がいちばん欲していることをやるのが先です。体がひどく疲れていたり睡眠不足だったりするときは、まずはゆっくり横になることを優先してください」
【朝と夜】時間帯によって変わる瞑想の目的
1日の始まり「朝」
HIKOさんのおすすめは、朝の1日の始まりに瞑想を行うこと。「昨日のことは一旦忘れて、1日の始まりとして心をリセットしやすいと思います。夜だと1日を振り返って、ああだこうだと考えてしまいがちです」
寝つきが悪い人は「夜、寝る前」
「睡眠障害がある人や寝つきが悪い人は、夜に行うといいでしょう」とHIKOさん。瞑想を行うことで副交感神経のスイッチが入るため、体がリラックスして睡眠の質の向上にもいい影響を与えてくれる。
リラックスしたい人は「寝ながら」
リラックスしたい人は寝ながら行うのもあり。ベッドに横になり瞑想をして、眠くなったら寝てしまおう。眠れないときは、その眠れない状態を受け入れて、ゆったりすることを心がけて。
ほかには、こんな瞑想の種類も
サウンドバス
瞑想の効果を、より簡単に体感できるサウンドバス(音浴)。マインドフルネス瞑想との違いは、やさしい音を聴きながら、目をつぶって行うこと。通常のマインドフルネス瞑想では、深い瞑想状態に入るのは難しいけれど、サウンドバスでは訓練や練習不要で、楽に瞑想の効果を感じられる。
サマタ瞑想
対象となる1点に集中して行う瞑想のこと。ろうそくやお経、呼吸、マントラなどの何か1つに集中して、対象から注意をそらさずに行う。サマタとはひとつのことに心を落ち着かせる仏教用語。
ヴィパッサナー瞑想
思考や判断を入れず、今起きていることを観察する瞑想。数日間、人とのコミュニケーションを断ち、自分の意識のみに集中する方法。人と話すことも、目を合わせることも禁止される場合が多い。
瞑想のやり方やマインドフルネスの本質が分かる本
ここではGLITTER編集部が、瞑想のやり方に関する本をピックアップ。
頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる
著者プディコム氏の母国イギリスで出版されてベストセラーになったのちに、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が2018年のベスト本に掲げた本。瞑想のやり方やマインドフルネスの極意が記されていて、瞑想の入門書としてぴったりの1冊。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
世界20カ国語以上で出版されているベストセラー作品で、マインドフルネス瞑想を科学的な視点で知ることができる本。今まではスピリチュアルなものとされていたことを、名脳外科医であるジェームズ・ドゥティ氏が科学を交えて論理的に解説していて、理解しやすいのが魅力。
愛する:ティク・ナット・ハンの本物の愛を育むレッスン
マインドフルネスを世界に広めたティク・ナット・ハン氏が「ほんとうの愛のかたち」を紐解く本。世界13か国で翻訳されているベストセラー。マインドフルネスをベースにした愛の本質を知りたい人は手に取ってみて。
般若心経絵本
マインドフルネス瞑想のベースとなる般若心経を、わかりやすく説明した絵本。「般若心経は漢字ばかりで難しい」と感じている人も、簡単に本質を理解できる。マインドフルネスを一歩踏み込んで知りたくなった人におすすめ。
Edit&Words Seimu Kawahara