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2022.08.18

Novel Core Interview 新作『No Pressure』で開いた新境地――Z世代の代弁者が見つめる今

15歳でラップを始め、SKY-HI主宰のマネジメント/レーベル「BMSG」第一弾アーティストとして、既存の概念に捉われない活動をしているNovel Core。「弱さを知る者しか語れない強さと、不自由を知る者しか歌えない自由」をコンセプトに制作したというメジャーセカンドアルバム『No Pressure』は、ぐっと多彩になったサウンドアプローチでもって、ネガティブを受け入れたタフなポジティヴィティが描かれている。新作の話に加え、発売中の『GLITTER vol.4』の特集テーマである『Transformers! NEW OLD/NEW ME!! 〜変化変容で新しい自分へ〜』に絡めた“変化”についての話、そして輝く秘訣まで、多岐にわたり話を訊いた。

僕が追い求めている幸せは、消したくなるような過去やネガティヴな不自由さがあったからこそ感じられるもの

――『No Pressure』のコンセプトは「弱さを知る者しか語れない強さと、不自由を知る者しか歌えない自由」だそうですが、このコンセプトにしたのなぜですか?

「僕はずっと形のない幸せを漠然と追い続けている人生を生きていて。幸せになりたいっていうことだけはずっと胸の奥にあるんですけど、追いかければ追いかけるだけ遠ざかっていく気がして、モヤモヤし続けた20年間ぐらいだったんです。でも最近になって、僕が追い求めている幸せって、消したくなるような過去やネガティヴ、不自由さがあったからこそ感じられるもので。不自由じゃなかったら自由を感じることもないし、ネガティブを見たことがない人がポジティブを語れないはずだってことに気づいたんですよね。それでネガティブがすごく愛おしくなっていって、ネガティブとポジティブが共存していることをテーマにアルバムを作りたいなと思いました。『No Pressure』って“プレッシャーがない”っていう意味ではなく、プレッシャーの存在ごと受け入れて愛せる人になりたいという意味合いですね」

――とても大きな心境の変化だと思うんですが、何かきっかけはあったんですか?

「本当に些細な気づきですね。ある時、いつもなら素通りしてきた身の回りに自然にあるものや起きていることに幸せがあるんじゃないかなって急に思って。例えば、早起きができたとか、コーヒーがおいしかったとか、普段、挨拶を返してくれない近所の方が挨拶を返してくれたとか、そういうなんでもない瞬間が大切で、それを心から幸せだと思える余裕を持つことが大事なんじゃないかなって思ったんです」

――タイトル曲の「No Pressure」はまさに今話してもらったような心境の変化が凝縮されたような曲になっていますよね。

「そうですね。このアルバムの制作が始まって、一発目に着手したのがこの曲でした。自分的にも絶対そういうテーマを歌いたいと思っていたので、それをプロデューサーのUTAさんに伝えて、やりとりをしながら作っていきました。ずっと幸せだったと思うんですけど、それに気づけていなかった。そのことにちゃんと向き合えたことでだいぶ生きやすくなりましたね」

――ラストに収録されている「Untitled」は日常の幸せを発展させた曲に思えましたが、どんな想いがある曲ですか?

「この曲は、“もしも、明日世界が滅んでしまうとしたら……もしくは、自分の人生が終わってしまうとしたら、今日の僕は一体何をするだろう?”っていうのをテーマに書いた曲で。地球が終わる瞬間って余計なことを考えられないと思うので、音的にもアコースティックギター1本で作って、そうやってそぎ落とした時に自分に残るものが何なのかを知りたかったんです。それが、あわよくば音楽であってほしかった自分がいて、このテーマを選んだんだと思います。その結果、『こんな静かな日でも僕達は 今を口ずさんで』っていうフレーズが出てきた時に、例え聞いてくれる人が誰もいなかったとしても、自分は今この瞬間を切り取って歌うんだな、音楽が好きなんだなっていうことが再確認できた。その歌詞を書きながら涙が止まらなくなって。正直、メジャーデビューして環境が目まぐるしく変わる中で、コンスタントに作品を世に出し続けて、毎回結果を塗り替えていくことを繰り返していて、自分は本当に音楽を心から愛しているんだろうか、ビジネスとして捉えてないか……って自分自身を疑ってしまう瞬間があって、ずっとモヤモヤしてたんです。でもこの曲を書いた時に素直に音楽への想いが出てきたので、自分は本当に音楽人なんだなと思えて嬉しかったです」

――ラッパーでありながら、こういったアコギ1本の弾き語り的なアプローチをすることについてはどう捉えていますか?

「今回のアルバムは『Untitled』含めて、すごく幅広く、今まで見せたことのないような表情を取り入れた曲が多くて。いろんな音楽がずっと好きなので、これまで培ってきた音楽の形が表現できた気がします。特に『Untitled』は何のカテゴライズも気にせずに作れた曲ですね」

生きていく中で1個1個伏線を敷いていったり、それを有言実行して回収することがすごく好き

――「Untitled」の前にインタール―ド的な「Skit」が入っていますが、どんなイメージがあったんですか?

「その後の『Untitled』が他の曲と時系列が違って、もっと先の未来で歌っているイメージがあったんです。それで、その前に時間経過を表した音を入れたくて。『Untitled』を歌っている未来の世界線の自分、もしかしたら音楽の道から引退する時かもしれないし、人生を終える瞬間かもしれないけど、久々にこのアルバムを聴き直して、『HAPPY TEARS(feat.Aile The Shota)』までを聴いて再生を終えるようなイメージでした」

――その『HAPPY TEARS(feat.Aile The Shota)』に参加されているAile The Shotaさんが「Coreさんはビジョンが明確で気分屋の自分とは対照的だ」とおっしゃっていたことがあるのですが、ブレない秘訣は何だと思いますか?

「16歳、17歳ぐらいの時から自分の人生を俯瞰して見るようになって。自分が映画の主人公だとしたら、脚本家である自分をもう一人つくるようなイメージで、今の自分を遠くから見ている感覚があるんです。生きていく中で1個1個伏線を敷いていったり、それを有言実行して回収することがすごく好きで。楽曲を作る時もそういうことをやっていますし、アーティストとして活動していて気分が凹んでしまう時とか、『もうだめだ』と思った時に、自分の人生を映画に見立てていると、挫折や失敗も必要なシーンの一つだなって切り替えられて踏ん張れるんです。ただ、僕からしたらShotaのあの空気感は逆に羨ましいと思うこともありますけどね(笑)。雰囲気で、もう考えていることや感じていることが表現されている感じがするから、言葉が必要ない感じがする。あの独特の世界観、安心感が僕はすごく好きです」

――一緒に曲も作られていますけど、Shotaさんはどんな存在ですか?

「お互いにいろんな音楽が好きだけど、違う音楽が好きだったり、スタイルもだいぶ違うからこそ、刺激が大きくて、惹かれ合う部分が大きいと思っています。休日に事務所でお互いの好きな音楽を聞かせ合う大会みたいなこともしていて。自分の新しい作品ができたら真っ先に聴いてもらったりもするし。お互いのマインドに対する理解が深いので一緒にいて楽しいですね」

――今回のアルバムを作ったことで生まれてきたヴィジョンはありますか?

「もっと音楽で遊んでみたいとか、こういう曲作ってみたいっていうイメージがドカーンと広がって、六畳半から東京ドームぐらいまで視野が広がった感覚があるんです。もっと衝動的に、もっと感覚的に音楽に向き合えそうだなって思っています」

はみ出すことを恐れなくなったのはSKY-HIさんの存在が大きい

――発売中の『GLITTER vol.4』の特集テーマが『Transformers! NEW OLD/NEW ME!! 〜変化変容で新しい自分へ〜』なんですが、アーティストとしての一番のターニングポイントというと?

「比較的最近のことになるんですが、2020年の秋に今の事務所のBMSGに入ったことですね。だから、その社長のSKY-HIさんに出会ったことがアーティストとしての一番のターニングポイントだと思います」

――SKY-HIさんに出会う前と後で一番何が変わりましたか?

「さっき話に出てきましたけど、1個1個のヴィジョンを明確かできるかどうかですね。それまでは、自分がやろうとしていることに前例がなかったりすると不安になったりもしたんですが、SKY-HIさんは既存のレールにハマらずに新しいことをたくさんやってきた方であり、そこでちゃんとポジションを確立されている。そのSKY-HIさんが近くにいてくれて、『こういうことをやるとこういうことが起きるかもしれない』とか、『実際こういうことが起きたんだよ』って教えてくれる。自分はその意見を聞いた上でいろんなことを考えて、敢えてそこにぶつかっていくこともあって。はみ出すことを恐れなくなったのはSKY-HIさんの存在が大きいと思います」

――「THE FIRST FINAL」でCoreさんが涙を流されていたのが強く印象に残っているんですけど、BMSG第一弾アーティストとして、あの時はどんなことを感じていたのでしょうか?

「BMSG設立直後は、第一弾アーティストっていう看板を重く受け止める必要があって、多方面に対してすごく神経を使いながら過ごしていました。その後に、『THE FIRST』という大きなプロジェクトがスタートし、大きな波を作ったことによって、BMSGの名前が世間に広く認知されて、その段階で事務所にひとりぽつんといた自分としては、Novel Coreというアーティストとして見てもらえるかすごく不安になったんです。前にZeebraさんの事務所にいた時は、Novel Coreとして見てもらえるより、“Zebraさんのところの誰々”という風に見られることが圧倒的に多くて。それがすごくコンプレックスで、1000万円借金して、自主制作でインディーズでアルバムを作って、BMSGに入るっていう経緯がありました。『またその時と同じ壁にぶつかるんじゃないか』っていう気を張りながら過ごしていたところ、THE FIRST FINALでああやって仲間たちが何のフィルターもかけずにフラットに接してくれて。そこでSKY-HIさんがハグしながら『結構しんどかったと思うけど、第一弾アーティストとしてちゃんと全うしてくれてありがとう』って言ってくださって、それで涙が溢れましたね」

自分たちがはみ出して新しいことをやることによって、正解やスタンダードの数が増えればいい

――重圧を感じながらの頑張りを認めてもらえたというのと、あと仲間たちができたことへの心強さもあったんでしょうか?

「そうですね。今僕以外のBMSGにいるアーティストは全員THE FIRST出身で、合宿で寝食を共にした時間ってすごく大きいと思っていて。でもその期間を一緒に過ごしているわけではない自分を、同じように仲間として認識してくれて、本当に分け隔てなく仲良くしてくれている。それはすごく安心します」

――でも、他のアーティストのみなさんは、Coreさんの存在に安心感を抱いていると思いますよ。

「ああ(笑)。例えば、(BE:FIRSTの)LEOとか、すごく繊細なアーティストなので、たまに相談を受けたりもしますけど。でも僕も彼らに相談しますし、誰が後輩で先輩っていう感覚が本当になくて。あくまでも同じ道を志す友達としてみんなと密接に関わり合えているのが嬉しいですね」

――例えば、今年1月18日にedhiii boiさんとBE:FIRSTのSOTAさんとコラボした「118」がサプライズリリースされましたが、キャリアやスタイルも違う、たまたま同じ誕生日同士のレーベルメイト3人が突発的にコラボすることにすごくワクワクさせられたんですが、ああいう試みについてはどんなことを考えていますか?

「事務所内でもそうですし、事務所が違うアーティストも含めて、クロスフェードしていくことを恐れないというのは、自分的にもすごくプラスなことだと思っています。BMSGも設立当初からSKY-HIさんが『うちの会社に競合はいない』ってずっとおっしゃっていますけど、本当にその通りだなと思っていて。音楽に携わっていて、音楽で何かを届けたいっていう共通理念があるアーティスト同士が、事務所の壁だったりが邪魔することなく音楽で繋がっていくというのはすごくいいことだと思っているので、自分達としては積極的にいろんなアーティストとの繋がりを作っていきたいと思っています。『現体制を変えてやろうぜ』っていう強い気持ちがあるわけではないんですけど、既存の体制から溢れてしまった人たちの行き場がないという状況があったのは確かで、実際に自分も溢れていた立場でした。そんな自分たちがはみ出して新しいことをやることによって、正解やスタンダードの数が増えればいいなっていう想いはあります」

僕は好奇心と上昇志向の塊みたいな人間(笑)

――では、今変化させたいと思っている部分はありますか?

「体を鍛えたいですね(笑)。ライブが続くとそれ用に体力作りして少し引き締まったりするんですけど、鍛えるためにトレーニングしたことがあまりないんですよね。実際体をちゃんと作り込んでいる人はそれが自信にも繋がってると思うので、メンタル面も含めてちゃんとトレーニングしたいと思ってます。ジムもだいぶさぼっちゃってて(笑)。edhiiiとかかなり鍛えてるんですよね。『腕がいい感じになってきました!』って言ってました」

――それこそedhiiiさんのトランスフォームぶりは目覚ましいですよね。

「間違いないですね。THE FIRSTの頃とはだいぶ印象も変わったし、すごくかっこいいアーティストだと思います。既にスタイルが確立されているのが本当にすごいなって。僕が15歳の頃は、ラップを始めたばかりでいろんな人の真似をしている段階で、スタイルなんてなかったですけど、edhiiiはラップのキャリアがそこまで長くないにもかかわらず、『自分がどうありたいか』が既に明確にある。相当GLITTERだと思います(笑)」

――(笑)。先ほどアーティストとしての一番のターニングポイントを教えていただきましたが、プライベートのターニングポイントというと何でしょうか?

「高校を中退したことですね。一年生で辞めるという判断をした時はすごく悩んだんですけど、母親ともしっかり相談して、『もしラップの道でやっていけなかったとしたら、高校一年で学校を辞めたっていうことが足枷になる可能性はあるよ』って話もされた上で、でもチャレンジしたくて辞めて。そこで退路を断つことによって音楽と向き合う本気度が変わったと思っていますし、今現在に至る大きな決断だったと思います」

――Coreさんは変化を好むタイプですか?

「めちゃくちゃ変化を好みます。基本現状維持をしたくないタイプで。興味を持つものを見つけたら、次から次にチャレンジしていくことを繰り返した上で、本当に自分に必要な物かどうかを後から選ぶような感じです。少ない選択肢の中から選ばされてしまっている感覚になるのがすごく嫌で、選択肢を増やせるだけ増やして選びたい。そのためにもいろんなことに挑戦することをやめないようにしています。知識をたくさんつけるのもすごく好きで。好奇心と上昇志向の塊みたいな人間です(笑)」

 

発売中の『GLITTER vol.5』(2022年8月30発売)では、Coreさんのラップとの出会いから、本誌テーマの『Glittering Sters!』に基づき、輝く秘訣などをお聞きしたインタビューが掲載されています。誌面でしか見られない撮り下ろしカットもお見逃しなく!

 

■PRESENT■

Novel Coreさんの直筆サイン入りチェキを1名様にプレゼントいたします!

[応募方法]

Instagramからご応募ください。

1.GLITTER公式アカウント:@glitter_magをフォロー

2.GLITTER公式アカウントの【Novel Core interview】の投稿に「いいね」

以上で応募完了!

 

[ご応募締切]

2022年9月19日(月)23:59

※ご当選者にはDMでご連絡を致します。抽選時にフォローを外されている方は対象外となりますのでご了承ください。

 

■PROFILE■

Novel Core

東京都出身、21歳。ラッパー、シンガーソングライター。15歳でラップを始め、ストリートパフォーマンスやMC BATTLEでその頭角を現す。『BAZOOKA!!! 第12回高校生RAP選手権』にて歴代最年少で優勝を勝ち取り、 Zeebra主宰のレーベルGRAND MASTERと契約後、本格的にアーティスト活動を開始。現在はSKY-HI主宰のマネジメント/レーベル『BMSG』に第1弾アーティストとして所属。

 

■INFORMATION■

Major2nd Album『No Pressure』(発売中)

全国流通盤(CD+Blu-ray)¥7,150

全国流通盤(CD)¥2,200

BMSG MUSIC SHOP限定盤(CD+Blu-ray)¥7,150

BMSG MUSIC SHOP限定盤(CD)¥2,200

 

【CD(全形態)】

  1. TROUBLE (Prod. Ryosuke “Dr.R” Sakai)
  2. JUST NOISE (Prod. MATZ)
  3. BABEL (Prod. KM)
  4. No Stylist (Prod. Yosi)
  5. 独創ファンタジスタ (Prod. KNOTT)
  6. No Pressure (Prod. UTA)
  7. HAPPY TEARS feat. Aile The Shota (Prod. Matt Cab)
  8. Skit
  9. Untitled (Prod. Yuya Kumagai)

 

【Blu-ray(全形態)】

[MUSIC VIDEO]

・HAPPY TEARS feat. Aile The Shota

・独創ファンタジスタ

[LYRIC VIDEO]

・TROUBLE

・No Pressure

[LIVE]

“A GREAT FOOL” BIRTHDAY LIVE (2022.01.22) at CLUB CITTA’

[DOCUMENTARY MOVIE]

Behind The Scenes of No Pressure

 

【外付け特典】

全国流通盤(CD+Blu-ray):直筆サイン入り Zine ver.1(全24P)

全国流通盤(CD):ジャケットサイズステッカーA

BMSG MUSIC SHOP限定盤(CD+Blu-ray):直筆サイン入り Zine ver.2(全24P)

BMSG MUSIC SHOP限定盤(CD):ジャケットサイズステッカーB

 

Photos Ken Ogawa / Styling Novel Core / Hair&Make-up Asami Harano / Words Kaori Komatsu / Edit Kaori Watabe

 

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