【LIVE REPORT】7ORDER LIVE FACTORY「脱色と着色」〜FINAL〜@東京ガーデンシアター
音楽・演劇・アートなどジャンルを超えて活躍する新進気鋭な7人組グループ・7ORDERが2022年11月3日(木・祝)に東京ガーデンシアターで「7ORDER LIVE FACTORY ~脱色と着色~」の追加公演を開催。9月14日からスタートした全国12都市をまわるツアーのファイナルとなる。今回はその14:30公演の様子をお届けする。
7ORDERは、安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟、阿部顕嵐、⻑妻怜央の7人が2019年5月に始動させたプロジェクト。「Happy をみんなで作りあげていく」をモットーに、音楽、演劇、アート、ファッションなど、さまざまなジャンルの活動を通して、ファンと“かけがえのない瞬間” を共有していくことをコンセプトにしている。メンバーが作詞・作曲を手掛けるなど、楽曲・ライブともに大きく活動の幅を広げ続ける7ORDER。今回のツアータイトルの「脱色と着色」は、「3周年を迎え、4年目に入った自分たちの色を一度脱色し、再び色を乗せていくようなLIVE」という意味があり、工具や部品のようなモチーフでカラフルに構成されたツアーロゴも「lab(実験)を重ねて、出来上がったもの達をfactory(工場)を通じて皆さんに届けたい」という想いが込められている。7人の個性が調和しているというよりも、個々の魅力や主張が混在している印象の彼ら。結果としてそれがグループの強みとなっている様子は、今回のツアーコンセプトにも通じるものがある。
実験室や工場を思わせるような雰囲気のステージから、機械音が鳴り響く。スモークが漂う中で始まったオープニング1曲目は、「agitate」。安井の歌声から始まり、眩しいほどの白い照明をバックにメンバー7人の姿が浮かび上がると、会場からは歓声の代わりに綺麗に揃った手拍子が。今回のステージ衣装は阿部がプロデュースしており、それぞれの私服からインスピレーションを受け、その人らしさを考えた衣装なのだそう。7人のテイストがバラバラなのが彼ららしさを象徴している。「東京!ツアーラスト!」の呼び掛けと共に2曲目の「タイムトラベラー」、「青空と爆弾」とアップテンポかつサックスの音色が印象的な爽やかなキラーチューンが畳み掛けるように続く。イントロからお馴染みの振り付けで会場が一体になった「SUMMER様様」では、阿部が「サマーさまさま」を「とうきょうきょう」と替え歌し、諸星が思わずツッコむ場面も。
ひとしきりオープニングで盛り上がった後は、メンバー紹介。ドラムの萩谷、ベースの森田、ギターと作曲も担当する真田、アルトサックスの諸星、キーボードの長妻、絶対的ボーカルの阿部と安井。この構成でのバンドだからこそ、多彩な音色で唯一無二の楽曲が生まれることを感じる。会場の大きさ、天井の高さに驚きつつ、ツアーファイナルに駆けつけたたくさんの観客に感謝するメンバーたちの表情は、ファイナル公演へのやる気とワクワク感に満ち溢れていた。
メンバーの呼びかけでタオルに気合いを込めて会場全体でタオルをまわした「BOW!!」で、会場はひとつに。そこからのDANCEパートでは、カラフルなレーザー照明で会場は一気にダンスフロアに様変わり。長妻のアクロバットからの、諸星・森田ペアのヒップホップダンス、安井・萩谷のジャズダンス、そして7人全員での息のあった圧巻のダンスを魅せる。そのまま続く楽曲は、3rdシングル「POWER」。バンド形態とは全く違う、7人でのダンスパフォーマンスを披露。ストリート要素の強い、力強い歌声とダンス、目まぐるしく変わるフォーメーションで魅せるパフォーマンスは目が離せない。
ライブ中盤のMCでは、ツアーのケータリングの話、こだわりが詰まったグッズの話で盛り上がり、7人のゆるい雰囲気で進むお喋りに普段からの仲の良さが伺える。MCの後には、生放送特番「7ORDERのSU・PONPON」(ABEMAにて11月29日21時より独占無料生放送)決定の嬉しい発表も。
MC明けは、アコースティックスタイルで夏らしいアレンジが特徴的な「Ups & Downs」。萩谷が奏でるスティールパンの音色と、長妻がレインスティックで生み出す波音に観客の手拍子も加わり、南国のビーチのような空気が漂う。
ゆるりとした雰囲気から一転、阿部と向かい合う真田のギターで始まった楽曲は「ONE」。鋭い歌声とシャウトが印象的なラップナンバー。バンドをバックに紡ぐリリックは力強く、阿部の歌唱力と存在感に圧倒される。そのまま「Get Gold」が始まると、会場のテンションは最高潮に。ダンスとバンドを融合させた楽曲というだけあって、前半はバンド、間奏を挟んで全員でダンスパフォーマンスとボーカルメンバーの鋭い歌声、サックスのソロを挟んで、最後はバンド形態でラストまで駆け抜ける。今の7ORDERの武器をすべて見せつけるかのような楽曲に、ただただ圧倒される。
今回のファイナル公演では、今までのライブ公演にはない新たな要素が加わった。白いグランドピアノが設置されると、「お茶かるストリングス」がステージに登場。弦楽器で奏でられる幻想的で壮大な音色と共に、長妻のピアノソロから始まる「夢想人(ドリーマー)」。曲中では羽が降る演出もあり、白い衣装に身を包んだメンバーが、ひとりひとりスポットライトを浴び、思いを込めて歌う姿には思わずうっとり魅了される。YouTubeでのライブ直前動画で安井が「お客さんをうっとりさせたい」と語っていたのを思い出すファンも多かったのでは。さらにバンドとストリングスメンバーで奏でる「Sabãoflower」では、カラフルな7色の照明とステージからシャボン玉が噴き出す演出も相まって多幸感溢れる空間に。「あなたに会えてよかったです」と安井が会場を見渡しながら噛み締めるように言い、最後の曲と紹介されたのは「27」。ストリングスメンバーと奏でる「27」は、よりドラマチックでラストの曲にふさわしい。真っ直ぐに前を見つめて歌うメンバーの姿が印象的だった。
アンコールでは、ツアーパーカーやTシャツに身を包んだメンバーが客席に登場! 客席を縦横無尽に駆け巡りながら「Feel So Good」を歌唱するメンバーに観客は大興奮。ステージにメンバーが集合したところで興奮冷めやらぬまま「Lonely night」へ。観客と一緒に楽しむユニークな振り付けが印象的。序盤の「SUMMER様様」「BOW!!」然り、7ORDERのライブは、随所に「みんなで楽しもう!」という演出があり、会場が一つになる瞬間が多々散りばめられている。
そして初のアニメタイアップ曲(TVアニメ「農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。」)で11月16日リリースの4thシングル「Growing up」を初披露。疾走感のある爽やかなナンバーで、4年目に突入した彼らのまだまだ止まらない勢いを感じる1曲だ。アンコール最後の曲は、「僕らの大事な曲」とメンバーが語る「雨が始まりの合図」。真田が作曲、メンバー全員で作詞をしたメジャー1stシングルだ。ストリングスが加わり、本公演だけの特別なアレンジに会場全体が聴き入った。鳴り止まない拍手の後、最後にメンバーひとりひとりから挨拶が。
真田佑馬「皆さんのおかげで素敵な景色を見ることができます。これからも一緒に皆さんと一緒に楽しいことをして、たくさん泣いたり笑ったりして素敵な世界を共有できたら嬉しいなと思います」
萩谷慧悟「ここに来て心強い味方ができて、羽もシャボン玉も紙吹雪も飛んで、盛り沢山で嬉しいです。これからもライブを続けていけるように頑張ります!これからもよろしくお願いします!」
諸星翔希「ツアーファイナル、たくさんの人が来てくれて、たくさんの人に支えられて走り切れることが幸せで何よりです。皆さんがいてくれないと僕たちは活動できないので毎日毎日みんなに感謝しています。もっともっと楽しい景色をみんなに見せたいのでこれからもついてきてください!」
阿部顕嵐「皆さんがきてくれるから僕たちはやりたいことを実現できます。今日は来てくれて純粋に嬉しいです!今日はありがとうございました!」
森田美勇人「応援してくれてありがとうございます!また来てください!ありがとうございました!」
⻑妻怜央「緊張しました。白い服着て、カレーうどん出てきたらどうしようかと思っていたんですけど。カレーうどんをあそこでもしピアノを弾かずに食べたらどうするんだろう?!と思っていたんですが、皆さんに囲まれて無事にピアノが弾けました。途中で帰る人がいっぱいいるんじゃないかと思ったんですが、最後まで見てくれて本当にありがとうございました!これからもよろしくお願いします!」
安井謙太郎「本当に楽しかったです、このツアー。皆さんのおかげでたくさんの色を重ねていけました。皆さんの心にも僕たちの色が少しでも届いたらとても嬉しいです。次に会う時まで、お互いに心も体も元気でまた会いましょう!」
ファンへの感謝の気持ちを述べ、笑顔でステージを後にする7人。袖にはける間際、会場へ投げキッスをする阿部に会場からは思わず歓声が。会場からの熱い拍手に見送られて、7人はステージを後にした。
まさに「ライブファクトリー」というツアー名にもぴったりな多彩な楽曲や演出で魅了した今回のライブは、結成3周年の集大成とも言える。最終公演で新たな要素を入れるという、最後の最後まで挑戦し続け、進化し続ける7人。「ファイナルだからこその景色・瞬間を見せたい」という7人の熱い思いが伝わる公演だった。
■INFORMATION■
2023年春3rdアルバムの発売が決定。
また、アルバムを引っ提げたホールアリーナツアーも開催!
[ツアースケジュール]
4月9日(日)宮城・仙台サンプラザホール
4月14日(金)広島・広島上野学園ホール
4月15日(土)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
4月17(月)・18日(火)福岡・福岡市民会館
4月22(土)・23日(日)愛知・日本ガイシホール
5月6(土)・7日(日)千葉・幕張メッセ国際展示場4-6ホール
5月11(木)・12日(金)大阪・大阪城ホール
7ORDER公式HP https://7orderproject.com/
Photos Kenji Yamada,GAKUMAEDA,Masanori Naruse / Words Ayako Nagaoka / Edit Kaori Watabe