東京03×Creepy Nuts interview ジャンルレスな5人が起こすシナジーとはーー見逃せない共作に膨らむ期待!
人気構成作家のオークラが演出・脚本を手がけるなど、かねてから一緒に公演を行ってきた東京03。そして、ライブを観て感銘を受けたと言うCreepy Nutsによるコラボレーション公演が実現。取材を行った時点では、内容はまだ未定。何が起こるかわからない、スリルとワクワクに期待が高まる5人。わかっていることは、「観に来る人に絶対に損はさせない。面白いものになる」と言うこと。「不安だけど楽しみのほうが大きい」という両演者が日本武道館でどんな輝きを放つのかーー。
この5人は何かに“括れない”のが共通点(R-指定)
――公演には「なんと括っていいか、まだ分からない」というタイトルがついていますが、今の段階でこの5人を“括る”共通点はありますか? みなさん俳優としても活動されていますが……。
DJ松永「東京03のみなさんと僕らを同じ次元で括ってはダメでしょう(笑)! 僕らの演技なんて俳優という職業に入らないですよ。あえて共通点を言うとすれば……“ライブが一番輝いている場所”ということかなと思います」
R-指定「むしろ、何かに“括れない”のが共通点と思っているんですけどね」
飯塚「我々は『やりたくないことは本当にやりたくない』という信念があって、『嫌だな』と思ったら本当にやらない。なんとなくCreepy Nutsのおふたりもそうなんじゃないかな?と、うっすら思っているんですけど……」
R-指定「その通りです」
DJ松永「僕らも嫌なことをやるのは厳しいです」
――東京03のみなさんは、「やりたいこと」「やりたくないこと」の判断はどうされているのでしょうか?
角田「うちは飯塚さんが代表して判断してくれます。ほかのふたりの気持ちをわかってくれているので」
飯塚「そうですね。なんとなく『角ちゃん、こういうの苦手だから』ってわかります(笑)」
角田「ちゃんと判断してくれるのがありがたいです」
――他に、5人の共通点はありますか?
豊本「中肉中背ですかね……」
DJ松永「本当ですね! 背がすごく高くもなく、太ってもいない(笑)」
――(笑)それぞれのファンの方々は、みなさんにどんなものを求めていると感じますか?
DJ松永「僕らもよくわからないです(笑)。ファンの人たちの求めているものをちゃんと把握するのは難しいですよね。やってみてリアクションを見て、やっと判断できる感じなので」
R-指定「僕たちはどんな反応があるかを順序立てて計算して、“あて”に行くみたいなことをやったことがないので。自分たちの中から出てくるものにわりと任せちゃっていますね」
DJ松永「それこそやりたくないことはやっていないんですけど、何を求められているか未だに想像がつかないです。だってかわかっていたら、もっとめちゃくちゃ売れていると思うんですよね(笑)」
――東京03のみなさんはいかがですか?
飯塚「僕たちは『これ面白いね』と3人で作ったネタをやっているだけで、それがお客さんが求めているか求めていないかは考えてはいないです。たまたまウケたらラッキーくらい(笑)。でもネタができたときはいつも『これ、本当に伝わるのかな?』と不安だし、そんな状態のまま世間に出すときもあるくらいです」
角田「それで思いのほか反応がよかったときが、一番嬉しかったりするんだよね(笑)」
――Creepy Nutsのおふたりが、このライブでコントのネタ出しをすることもあるかもしれませんよね。
DJ松永「えっ!? ネタ出しは絶対にできないですよ(笑)」
R-指定「こちらとしては、おじゃましないようにやりつつ、いい相乗効果が出るようにはしたいとは思っている感じなので。僕らは面白い03さんのコントを観てきているわけだから、全力で頑張って、03さんのファンの方々のノイズにならないようにしたいという気持ちです」
面白いと思えるコントをやりながら全国を回らせてもらっているだけ。それが王道かどうかは考えたことはない(角田)
――作・演出のオークラさんが2組の共通するイメージとして「そのジャンルの王道を突っ走っているはずなのに、何故か王道と捉えられないジャンルレスな存在」と称しているのですが、まず自分たちが王道を突っ走っている意識はありますか?
角田「王道かな? 飯塚さんが言っていたように、面白いと思えるコントをやりながら全国を回らせてもらっているというだけで、それが王道かどうかは考えたことはないですね」
R-指定「王道か……本業を極めているっていうところを言ってくれているのかな。03さんはコントを極めているところが本質的に王道ですし、僕たちもラップを突き詰めていることが王道だと思っています。でも、王道と捉えられていない部分は、業界での立ち位置や、やり方なんですかね」
――ジャンルレスな存在についてはどう思われますか?
飯塚「そうかもしれないです。うちらがやってきたことや、これからやっていこうとしていることをやっている人は、あまりいないのかなと思います」
――今回の講演がどんな公演になりそうかは、まだみなさん本当につめていないんですね。
DJ松永「本当に初めて発表した日から、何も変わっていなくて。新たな情報は何ももらっていないです」
R-指定「キービジュアルやグッズの撮影だったり、外堀がどんどん埋まっていくのが恐ろしい(笑)」
DJ松永「何をやるかわかっていないのに、チケットだけが売れていく……(笑)」
――どんなことが起こりそうだと思いますか?
R-指定「おそらくラップはするんだろうなって思っていますけど」
飯塚「5人でコントはやるでしょうね。それはすごく楽しみです」
――不安はない?
Creepy Nuts「不安ですよ」
飯塚「でも、構成作家のオークラとは今まで一緒にやってきて、僕らは絶大な信頼を寄せています。絶対に面白くしてくれるだろうなとは確信しています」
豊本「オークラは演出をいつもおしゃれにしてくれるので、おしゃれなステージになるんじゃないですかね」
角田「ギター弾くのはどうなのかな? 武道館だし、弾いたら気持ちいいんだろうなっていうのはありますけど」
飯塚「僕は5人でガッツリ、居酒屋のコントがやりたいです(笑)」
僕たち3人はある程度仲良くしておこうと思っている。「おはようございます」「お疲れ様でした」って、ちゃんと挨拶はしようって(飯塚)
――『GLITTER』という媒体名にちなんだ質問です。日々ステージにあがっているみなさんが“輝く”ために努力していることを教えてください。
飯塚「僕たち3人は、ある程度仲良くしておこうと思っています。『おはようございます』とか『お疲れ様でした』って、ちゃんと挨拶はしようって。昔はしない時期があって……」
角田「あったあった」
飯塚「いつも一緒にいる相方だし、どんどんそういうのをしなくなっていた時期があったんです」
角田「トリオを組んで数年した頃だったかな。なんとなく挨拶しなくなったのは」
飯塚「いろんなことがなあなあになって、このまま嫌いになってしまったらどうしよう?と思ったんです。だから、ちゃんとしておこうと提案したんですよ」
角田「そうそう。当たり前のことですが、大事なことです。僕は輝く努力というわけではないんですけど、ベストなコントをやり続けるために、体をちゃんと整えておかなくてはと思い、縄跳びを始めたんです。そしたら、右膝の半月板が水平断裂になってしまって……」
DJ松永「え〜! 何回跳んでそうなったんですか?」
角田「毎日1分を3セット、時間で言うと3分くらい。痛いなと思っていたけど、大丈夫でしょってやり続けていたら、とうとう……。ステージで輝くために始めたのに、今はできなくなりました(笑)」
飯塚「コントに支障でまくり(笑)。動き制限されるし」
角田「自己判断はダメ。飯塚さんが『ジムでトレーナーをちゃんとつけたほうがいいよ』とアドバイスしてくれたので、今はジムで上半身だけ鍛えています。そんなこんなで今、輝きは失っています(笑)」
豊本「僕は努力していないですね。ただ、ジュースを控えて、お水にするようにしています。糖分を控えたほうが、代謝とかお肌にいいかなと思って」
目的のない時間が必要。何をやるためにというのでなく、使い道が決まっていない時間がないとダメ(DJ松永)
――Creepy Nutsのおふたりはいかがですか?
R-指定「僕はステージでラップしていて、調子いいな、楽しいなと思うときは、輝いているような気がしています。以前は『絶対に盛り上げなきゃ』とか『時間内に絶対にかまさなきゃ』みたいに、気負いすぎていた部分があったんです。でも、普通に曲を演奏するのも楽しいし、ラップするのも気持ちいい。その感情を優先してやったら、本当に楽しくて」
DJ松永「輝くために……ということでもないんですけど、健康に気をつけようと思っています。今までは、健康よりも目の前の仕事をやろうと、健康を後回しにしていたんです。それをやり続けていると、いつかガタがきて、今に全部台無しになるんじゃないかという恐怖を感じていて。時間がないと、食べ物もジャンクなものになりがちだし、健康に気を使うってゆとりがないとできないですよね。今のうちに整えておきたいなと」
R-指定「さっき僕が言った“楽しい”にもつながるんですけど、仕事が楽しくなるためには、日常のスケジュールに“大きい隙間”が必要だと思うんです。その“大きい隙間=余白”があれば、何かアウトプットするときに向けての心の準備、体の準備ができる。今まではとにかく目の前のことをやってきたけど、そろそろ考えを変えないとって、最近考え出したところだよね」
DJ松永「目的のない時間が必要なんです。何をやるためにというのでなく、使い道が決まっていない時間がないとダメだと思い始めていて。余白作って何をかやるって決めたら、結局毎日仕事をやっていることとあまり変わらない。何をどうするかは決めていないけど、まずはその余白を作作ろうぜ、という段階ですね」
飯塚「僕は趣味が仕事になってしまったからなあ。趣味の延長として仕事をするのが好きだし、まだ楽しめている感覚はあって。どちらかと言ったら、職業として捉えていないのかもしれない。今でも余白の時間があったら若手のネタを見たいもん」
DJ松永「うわ〜、すごいですね」
R-指定「そうなれたら最高ですよ」
飯塚「笑いのほかに全く興味が湧かないんだよね。学生時代にお笑い番組を観ていたのと同じ感覚で、今も『M-1』を観ていますから」
角田「そのテンションで、僕らに面白い若手を教えてくれたりするんですよ。飯塚さんはずっとお笑いが好きのテンションのままなんです」
――豊本さんはいかがですか?
豊本「趣味のプロレス観戦です。キラキラと輝いた目で観ていると思います」
――この公演でプロレスがあったら嬉しいですか?
豊本「自分ではやらなくていいです(笑)。角田さんのように怪我するのは怖いですし(笑)」
我々と同じように、みなさんもどきどきワクワクを期待してきていただきたい(豊本)
――最後に、この公演への意気込みをお願いします。
飯塚「とにかく絶対損はさせないです。それは絶対。まだ全貌は見えていませんが、僕らもめちゃくちゃ楽しみです!」
DJ松永「本当にどきどきワクワク感でいっぱいです」
豊本「我々と同じように、みなさんもどきどきワクワクを期待してきていただければいいと思います」
R-指定「僕らにとっても、至近距離で03さんのコントを観られるのが何より楽しみです(笑)」
角田「最高のお祭り騒ぎを是非観にきてください!」
■PROFILE■
東京03
飯塚悟志/1973年5月27日生まれ、千葉県出身
豊本明長/1975年6月6日生まれ、愛知県出身
角田晃広/1973年12月13日生まれ、東京都出身
2003年にスクールJCAで飯塚悟志と豊本明長が結成したお笑いコンビ・アルファルファに元プラスドライバーの角田晃広が加わり結成したお笑いトリオ。キングオブコント2009年で王者に輝き、現在では単独公演のチケットが即完売するほどの人気を誇る。今年は第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」を開催する。現在では個人としての活動も増やし、それぞれドラマや映画に出演中。
Creepy Nuts
DJ松永/1990年8月23日生まれ、新潟県出身
R-指定/1991年9月10日生まれ、大阪府出身
2017年Sony Musicよりメジャーデビューし、2020年8月に「かつて天才だった俺たちへ」をリリース。2021年アルバム「Case」をリリース。収録曲「のびしろ」がTikTokで1億回再生を越えるなど、その他SNSでも注目を集めている。ニッポン放送「Creepy Nuts のオールナイトニッポン」、CMやドラマなど多方面で活躍を見せる。
■INFORMATION■
『東京03 FROLIC A HOLIC feat.Creepy Nuts in 日本武道館 なんと括っていいか、まだわからない』
2023年3月4日(土)16:00開場/17:30開演、3月5日(日)14:30開場/16:00開演@日本武道館
出演者:東京03(飯塚悟志/豊本明長/角田晃広)、Creepy Nuts(DJ松永/R-指定)ほか
ゲスト出演:3月4日(土)佐倉綾音、若林正恭(オードリー)
3月5日(日)ももいろクローバーZ・百田夏菜子、春日俊彰(オードリー)
全公演:吉住、GENTLE FOREST JAZZ BAND、佐久間宣行
作・演出:オークラ
構成:オークラ、福田卓也
監修:佐久間宣行
一般発売開始と同時にチケット完売!
これに伴い、
Photos Ken Ogawa / Words Hiromi Yamanishi / Edit Kaori Watabe