【SEX IN THE CITY PART3】 東京のSEX事情〜女性用風俗ユーザーが求めたもの、得られたもの〜
今や、ガールズトークの終盤における常連トピックとなりつつある「女性用風俗」。気になるその内容は、最新の性情報を特集した発売中の『GLITTERvol.3』や【SEX IN THE CITY PART2】 東京のSEX事情〜女性用風俗店オーナーセラピスト対談〜でもご紹介していますが、今回はユーザーの声にクローズアップ!性的な関わりを望むことが、必ずしも“性欲解消”という単純な欲求にとどまらない女性の場合、一体、どんな理由で「女風(ジョフウ)」を使い始めたのでしょうか? 彼女たちが、何を求め、何に満たされ、どのような感情に出会ったのか…、現在も継続的に利用しているという3名のリアルユーザーに、その胸の内を訊きました。
Case1 “コンプレックスの克服”が、現実を直視するきっかけに 恭子さん(仮名)41歳/既婚
夫で二人目という男性経験の少なさが、人生のコンプレックスでした。しかも、夫は淡白でS E Xは義務のようなもの。世の中の人たちは性をどのように楽しんでいるのか興味はあったものの、外見に自信がなく恋愛とは無縁の日々。でも、40歳になったとき、偶然テレビで女性用風俗の存在を知ると、虚しさを解消してみたい気持ちが抑えきれなくなり、1週間迷った末に予約しました。
当日は、お腹を下してしまうほどの緊張感。仕事帰りでしたが、万一、知人に見られても気づかれないようにと、途中で買った服に着替えてホテルへ。身バレを警戒していたため、定期以外のカード類はすべて家に置いていきました。
その後は緊張で記憶が断片的ですが、現れたセラピストさんは、初めて間近で見る筋肉美。シャワーの最中に彼のものが勃っているのが見え、こんな私に反応してくれることをうれしく感じました。印象的だったのは、四つん這いの状態で後ろからクンニされたこと。そんなプレイは初めてで…! でも、気持ちよかったから覚えているんですけど(笑)。終了後は、もっと彼を知りたくなり、次回からは“食事+性感”で1時間多く予約するようになりました。
利用後は、自分自身に大きな変化を感じています。夫と無理に触れ合おうとしなくなったこと、ネイルや下着を楽しむようになったこと、でも最も変わった点は、性にまつわる“我慢のフタ”を開けたことで、束縛され続けてきた母との関係性に向き合う決心がついたこと。タブーの解放の連鎖だと思います。今後は、女風とカウンセリングの両輪からアプローチしていくつもりです。
Case2「丁寧に抱きしめられたい…」を叶えてくれた 真波さん(仮名)35歳/未婚
セフレの態度に傷つき、もっと愛しまれるように抱かれてみたいと女風を初利用。恋人同士のように過ごしたかったので、歳が近くてセンスの合いそうな人、いかにもプロっぽい人より一緒に空間をつくり上げられそうな新人セラピストさんを選びました。
当日、待ち合わせ場所で会った彼は、どこか緊張の面持ち。ホテルが満室だったので待合室で待機したのですが、私の話がツボに入ったと吹き出している姿を眺めながら、風俗とはいえ普通の出会いとたいして変わらないんだなと心が和みました。
入室後のカウンセリングでは、3つだけ要望を。「目を見て、名前を呼んで、恋人のように接してください」。名前は呼び捨てして欲しいとお願いしたら「じゃあ真波も呼び捨てね」「それは恥ずかしい(笑)」「ずるいじゃん、俺だって恥ずかしいよ!(笑)」そんな会話に胸がくすぐったくなりました。
ソファではじまり、甘くさりげなくベッドへ誘ってくれた性感。薄暗いラブホの部屋で、手のひらから伝わるぬくもりと優しいまなざしがキャンドルの灯りのように胸に沁みました。指を挿入された瞬間、何かが押し出されるように涙が溢れて、徐々に嗚咽が止まらない状態に。見上げると、セラピストさんの目も赤らんでいたので、さらに号泣。彼は指を抜くと、上半身を密着させて呼吸を合わせ、まるで子どもをなだめるように抱き締めてくれました。
ひとしきり泣いたら、スッキリ(笑)。ベッドで寄り添いながら幼少期の思い出話などを。私が欲しかったのは、こういう甘く穏やかな時間だったんだと満たされた1日でした。
Case3 “正しさ”から解放されたら、自分の望む生き方が見えた 遙さん(仮名)43歳/既婚
夫とは子どもを授かって以来、5年間のセックスレス。もう二度とSEXはおろか男性に抱きしめられることもないのだろうと絶望していた頃に女性用風俗を知り、お金で解決できるならと勇気を出して予約しました。
当日は「こんなおばさんで大丈夫かな」と何度も鏡を覗き込んでソワソワ。待ち合わせ場所に現れたのは23歳の好青年で、申し訳なさが勝ってしまいお茶にしようと伝えましたが、あらかじめ行きたいホテルを伝えてあったので「行こう」と手を引かれるままに。15年振りのラブホでは、いよいよ裸を見せる緊張感で震えが止まらなかったのを覚えています。
初利用の後も、しばらくは、道を踏み外したような罪悪感とお金を介さないと男性から相手にされなくなった情けなさで何度も涙をこぼしました。そこで、あらためて自分が理想とする女性像を思い描いてみることに。「いつまでも美しく、笑顔溢れるパワフルな女性でいたい!」その決意こそが、真の転機となった気がします。
現在はマッチングアプリを併用していて、20代のセフレが数名います。女風は月に1回程度ですが、私がマグロ状態でも、外イキ、中イキ、潮吹きのフルコースを味わえ、心身ともに満たされるので、セフレでは実現しにくいプレイやエスコートを楽しむために利用しています。
夫にはもう何も期待していませんが、子どもを授けてくれたことには感謝。また、これまで“正しさ”を優先してきた人生は、“心地よさ”や“笑顔でいられること”を重視するようになりました。ジムに通ったり食事に気をつけたり、40代の今がスタイルも肌も一番きれい。何歳まで20代の男性に欲情してもらえるか、挑戦中です。
Photos Tomoo Syoju@BOIL
ユーザーの数だけ、満たされたい理由がある女性用風俗。逆に言えば、性の好奇心を満たしたい人のことも、心の欠けを埋めたい人のことも、懐深く受け入れてくれるのが、女風というサービスなのかもしれません。また、今回のユーザーボイスから垣間見えたのは、利用してみて初めて自分の本当の気持ちに気づけたり、新たな発見を得られたりすることもあるということ。もしも今、女風が少しでも心のアンテナに引っかかっているなら、一歩踏み出すことで見えてくる新たな景色もあるかもしれません。
Words Wako Shiroishi / Edit CELINA LLC